AGESTと電気通信大学が手掛けた新技術「AdaSniper」
東京都文京区に本社を置く株式会社AGESTは、電気通信大学との共同研究を通じて画像認識モデルの信頼性を飛躍的に向上させる新技術「AdaSniper」の特許を取得したことを発表しました。これは高度な安全性が求められるAIシステムの実用化に寄与するもので、特に自動運転技術や医療診断の分野での大きな進歩を期待されています。
特許取得の背景
近年、AI技術の飛躍的な発展に伴い、自動運転車や医療診断システムにおいては、従来以上に高いレベルの信頼性が求められるようになりました。その一環として、AGESTは電気通信大学と協力し、AIの誤認識パターンを自動で学習し、潜在的な問題点を効率的に特定する技術「AdaSniper」を開発しました。これにより、AI搭載システムが持つ「隠れた弱点」を早期に発見し、より安全で信頼性の高いシステムの構築が可能になります。
特許の内容
「AdaSniper」は、AIがどのように画像を誤認識するかという傾向を学習し、その間違いやすいパターンを効率的に見つけ出す画期的な技術です。この特許は、特許番号第7765671号として2025年10月14日に登録されました。特に、自動走行車や医療システムにおける安全性、信頼性を一新する力を持っています。
「AdaSniper」の主な特徴
1.
自動的な検出能力 - 従来の手法を超えて、LLM(大規模言語モデル)が誤認識を引き起こしやすいテスト条件を生成します。これにより、手動で行っていた負担を軽減しつつ、効率よくテストを進めることが可能です。
2.
効率的なテストバリエーション - 基本画像を基に画像情報を改変し、AIが誤認識しやすいバリエーションを人工的に生成。これにより、必要なテスト量と多様性を容易に確保します。
3.
誤認識の原因追求 - 特定の条件下で生じやすい誤認識(系統的故障)を効率的に特定し、テスト画像の弱点を網羅的に検出します。
4.
多岐にわたる応用可能性 - 自動運転だけでなく、医療や農業など、画像解析ソフトウェアの利用可能な広範な分野で応用が期待されます。
評価実験では、AdaSniperが従来の手法と比較しても効率的に問題を検出できることが確認されています。今後もAGESTは電気通信大学をはじめとする教育・研究機関との連携を強化し、社会的な課題解決に向けた技術開発を積極的に進めていく方針です。
AGESTのビジョン
AGESTは「テクノロジーによってすべてのDXに豊かな価値を提供する」というビジョンを持ち、先端技術の研究とQA技術者の育成に努めています。さらに、次世代QAソリューションを通じて、デジタル社会の発展に貢献することを目指しています。
まとめ
「AdaSniper」は、画像認識技術の新たな局面を切り開く可能性を秘めた革新的な技術です。これにより、安全な社会の実現に向けた大きな一歩を踏み出すことが期待されています。