小倉桂子さんの思い
2025-07-23 18:02:36

被爆80年を迎え、小倉桂子さんが語る平和の大切さ

被爆80年を迎え、小倉桂子さんが語る平和の大切さ



2023年、私たちは被爆から80年という節目を迎えました。現在、広島や長崎で被爆体験を語り継ぐ人々の活動が注目されています。その中でも特に注目すべきは、小倉桂子さん(87歳)の存在です。彼女は被爆体験を基にした継承活動を行い、国内外でその声を届け、平和について考えるきっかけを提供しています。特に2021年から撮影が始まったドキュメンタリーでは、彼女の情熱と取り組みが追いかけられています。

小倉さんは1945年、広島の自宅で被爆しました。彼女の家は爆心地からわずか2.4キロメートルの距離にあり、当時8歳の彼女は惨劇の場面を目の当たりにしました。幸い軽傷で済みましたが、目の前で人々が命を落としていく光景は、彼女の心に深い傷を負わせました。彼女はその体験を心に秘め、自身の人生を歩んできたのです。

彼女の人生で転機となったのは、42歳の時、夫を亡くしたことでした。夫は原爆資料館の館長で、英語も堪能な人物でした。小倉さんは悲しみに暮れていたところに、夫の遺志を継いで通訳としての活動を依頼されます。そして、彼女は夫の代わりに被爆者の声を世界に届け始めました。最初は通訳のみという立場でしたが、次第に自身の体験を語るようになり、なんとそこから約40年もの間、国内外で証言を続けています。

「来年の8月6日、私は元気でいられるかな?」という彼女の言葉が、その活動を続ける意義を感じさせます。高齢化が進む中、残された時間を大切にし、平和を願う思いを若い世代に伝えようと尽力しています。2022年、彼女はアメリカのアイダホ大学を訪れます。そこで行ったのは、広島の高校生が作成した紙芝居の授業です。この紙芝居は小倉さんの被爆体験を基にしたもので、現地の学生たちの意識を変えていきました。

アメリカの学生たちは小倉さんの思いに触発され、紙芝居を英訳し、広めていく活動を開始します。この経験を通じて、彼女は教育現場が継承の重要な場であることを実感しました。アイダホ大学の卒業式では、英訳メンバーと抱き合い、彼女の思いが確実に若い世代に受け継がれていく様子が見えました。

小倉さんの声は学生たちの心に響き、次世代が平和への思いを持続するきっかけとなっているのです。彼女は「私の役目は、若い人の心のろうそくに火を灯し、自分が何をすべきかを考えさせること」と語ります。彼女の情熱は、取材を続けた石井百恵ディレクターにも影響を与え、ドキュメンタリーが生まれました。

現在の被爆者の平均年齢は86.32歳であり、彼女が言う通り、この活動が「最後の仕事」となる可能性もあります。しかし、その思いを次世代に繋げることは、メディアとしての務めでもあります。このドキュメンタリーを通じ、多くの人々に小倉さんの思いが届き、平和の種として広がっていくことを願っています。

番組概要


  • - タイトル: 被爆80年報道特別番組彼女が世界に語る理由
  • - 放送日時: 8月6日(水)午前9時50分~10時45分
  • - ナレーション: 草刈正雄


画像1

画像2

画像3

関連リンク

サードペディア百科事典: 平和教育 小倉桂子 被爆体験

トピックス(エンタメ)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。