NSKのAIアプリ
2025-06-23 14:56:21

日本精工が生成AI駆使した品質トラブルアプリを開発、社内運用開始へ

近年、技術の進化とともに企業がデジタル技術を取り入れることがますます重要視されていますが、そんな中、日本精工(NSK)が新たに生成AIを活用した品質トラブル参照アプリを開発し、2025年6月から社内への運用を開始することを発表しました。本アプリは過去約4,000件の品質トラブルデータをベースに、社員が直感的に操作できる形で情報を可視化し、迅速な情報収集を可能にしています。

今回導入されるアプリは、NSKが社内向けに生成AIを本格的に活用した初の事例です。このアプリは、過去の品質トラブルデータをグラフ化し、生成AIによる要約機能を搭載しています。これにより、製品に関するあらゆる分野の社員が、必要な情報を素早く収集・把握し、業務に活かすことができる環境が整備されます。 NSLはこの取り組みを通じて、顧客に対してより早く、高品質な製品を提供できることを目指しています。

具体的には、アプリを通じて、社員は商品開発時に関連するリスク要因を調べる際、グラフでデータを視覚的に理解し、生成AIによるサマリーで情報を迅速に把握します。これにより、特定の専門用語に依存せず、誰でも簡単に必要な情報を得ることができるようになります。情報整理に要する時間も約30秒と、非常に効率的です。

このアプリの運用は、NSKの中期経営計画に基づくデジタル技術を通した経営資源強化の一環として位置付けられています。実際にアプリが運用される2025年6月には、設計・製造・品質保証部門のメンバーをはじめ、総勢5,000名以上の社員に提供される予定です。さらには、営業や物流部門など、製品ライフサイクルに関わる全社員に展開し、NSK全体の品質管理体制をさらに強化していく計画です。

本アプリは、社内で構築された専用の環境で生成されたもので、セキュリティ面でも安全性が確保されています。また、生成AIに特有のリスク、例えば「ハルシネーション」についても配慮し、適切な制御と運用ルールを設けることで、安全に利用できるように設計されています。

これまで、NSKは2023年度から生成AIを利用した文章作成や情報検索といった新しい試みを導入しており、今回の品質トラブル参照アプリはその集大成とも言えるものでしょう。アプリの開発はアジャイル手法を取り入れ、機能設計から正式導入まで短期間で実現されました。これにより、社員が必要なデータに素早くアクセスできるだけでなく、業務プロセスに即した使い方が実現されています。

今後も、NSKはこのアプリケーションを日本国内にとどまらず、海外拠点でも活用し、ユーザーのニーズに応じた機能拡充を予定しています。これにより、より一層迅速で高品質な製品を市場に提供することで、顧客満足度の向上を図ります。

日本精工は1916年の創業以来、軸受(ベアリング)をはじめとする革新的な製品と技術を生み出し、産業界の発展に寄与してきました。世界30ヶ国に拠点を持ち、特に軸受分野では世界第3位の地位を築いています。NSKは今後も「MOTION & CONTROL™」という理念のもと、持続可能な開発を目指し、技術革新を進めていきます。
会社の将来を見据え、2026年には「NSKビジョン2026」を掲げ、社会貢献と企業成長を両立させるために努めていく方針です。


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