シャドーITの実態
2026-05-26 13:45:57

シャドーITが引き起こすデジタル化の障壁とその克服法

シャドーITが引き起こすデジタル化の障壁とその克服法



近年、デジタルトランスフォーメーション(DX)を目指す企業が増加しています。業務の効率化や改善を図るため、営業や人事などの各部門が独自に新しいツールやサービスを導入するケースが見られますが、この流れの裏側には「シャドーIT」という問題が潜んでいます。株式会社NTTデータビジネスブレインズが実施したアンケートに基づき、この現象とその影響について考えます。

シャドーITの実態



調査によると、84.3%の企業でシャドーITが存在することが明らかになりました。具体的には、「各部門に任せきりのため数多くある」と回答した企業が52.4%、また「管理されていないため全貌が不明」との声も15.1%にのぼります。これらの結果は、多くの企業が部門間の連携不足から生じる課題に直面していることを示しています。事業部門が独自にツールを導入する背景には、情シス部門に依頼する際のセキュリティチェックの煩雑さがあります。しかし、このような状況は全社的なITガバナンスを脅かし、重大な情報漏洩のリスクを引き起こす可能性があります。

アカウント管理の状況



次にアカウント管理について見てみましょう。調査の結果、54.2%の企業が「主要システム以外は手作業の対応」であると回答しました。手作業によるアカウント管理はミスが発生しやすく、退職者のアカウントが残存しているケースも60.9%に達しています。このような事態では、悪意を持った退職者が情報にアクセスすることも考えられ、大きなセキュリティインシデントを引き起こすリスクがあります。

手作業によるデータ連携の現実



他にも、システム間のデータ連携に手作業が頻繁に発生している実態があります。調査では、78.9%の回答者が手動でのデータ連携が日常的または定期的に行われていると答えています。このような状況は、システム間のAPI連携が行われず、「データサイロ化」が進行していることを示唆しています。現場は手作業に追われ、DXの方向性からかけ離れた業務プロセスに陥っています。

部門間の壁と調整の難しさ



さらに、システムの導入やデータ連携に関する調整でストレスを感じる要因として、「情シスに丸投げされること」が52.1%という結果を示しました。このような態度は、事業部門と情シス部門との間に深い溝を生んでいます。事業部門が自らの業務を理解し、情シスに協力しながら改善プロセスを進めることの重要性が浮き彫りとなっています。

データの一元管理とその課題



調査結果によると、マスタデータの一元管理ができている企業は非常に少なく、50.5%が「定義はあるが実態はズレている」と回答しています。このような状況では、データ分析やAIの活用が難しく、企業のDX推進において大きな障壁となっています。データが正確に管理されていなければ、価値ある情報を取り出すことはできず、DXの効果も半減します。

未来を見据えた対策



最後に、手作業によるデータ連携が将来的に解消される見込みについて尋ねたところ、39.6%の企業が「あまり期待できない」と答えています。この悲観的な声は、属人的な業務が横行する現状が改善されない限り続くことを示しています。しかし、問題を真剣に捉え、改善プロジェクトを開始している企業も存在するため、今後のDX推進における格差がますます広がることが予想されます。

まとめ



調査結果から浮かび上がるのは、各部門の独自のツール導入がもたらす全体最適の欠如と、部門間の摩擦です。真のDXを実現するためには、IT部門と事業部門の連携が不可欠であり、経営陣も強力なサポートを行う必要があります。これからの時代、企業は「シャドーIT」をただ禁止するだけではなく、事業部門が安心してツールを利用できるよう、しっかりとしたガリデシンや枠組みを整備することが求められます。


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