宅配業と建設業における滑り止めの利用実態
近年、宅配業や建設業での重い荷物を運ぶ際に、手の滑りや手汗が大きな悩みとなっています。株式会社MEMOCOが実施した調査によると、宅配業や建設業で働く経験者136人を対象に、「滑り止め」に関する意識調査が行われました。調査期間は2024年11月13日から12月10日までで、インターネットを利用したアンケートを行いました。
調査の結果、年代別では最も多かったのが40代で、次に30代、そして20代と続きました。性別は男性が78%を占め、全体としては男性の比率が高いことがわかりました。
手汗や滑りの実態
重い荷物を運ぶ業務中に手汗や滑りが気になると答えた人は約90%で、手汗や滑りに悩む人が非常に多いことが浮き彫りになりました。さらに、滑りにくさや手汗を改善したいと感じた人は約88%に達し、実際に対策を講じたことがある人も約92%に上りました。
具体的な対策としては、97%の人が手袋やグローブを使用しており、3%の人が滑り止めテープやテーピングを利用しているという結果が出ました。これらを用いることで、少なからず滑りを軽減していると考えられます。
滑り止めへの満足度
滑り止めの使用感について尋ねたところ、満足度は以下のように分かれました。
- - 大変満足:34%
- - どちらかといえば満足:51%
- - どちらかといえば不満:9%
- - 不満:6%
満足度が「大変満足」ではなかった理由の一つとして、グローブの耐久性や蒸れに関する問題が挙げられます。例えば、手のひらに滑り止めのイボがついている軍手を使用し、一定の効果は感じたものの、耐久性に難があったとの意見がありました。また、グローブを着用することで手の感覚が鈍り、作業効率に影響を及ぼすこともあるようです。
一方で「どちらかといえば不満」と回答した人もおり、手汗で蒸れることや、グローブの着脱が煩わしいとの声が目立ちました。特に夏場の作業では、手の汗でグローブがびちょびちょになることが多く、快適な作業環境の確保が難しいとされています。
現状の課題と今後の展望
この調査結果から、宅配業や建設業の現場においては、滑り止めの使用に関するさまざまな課題が明らかになりました。多くの人が手汗や滑りを感じている一方で、現在の滑り止めの効果だけでは満足できていない実態が浮き彫りになりました。
したがって、業務に集中できる環境を整えるためには、単に滑り止めの効果を高めるだけではなく、使用感の快適さや、容易な着脱、そして手の感覚を損なわない製品の開発が求められます。これにより、業務中の事故を防ぎ、安全に荷物を運ぶことができるでしょう。このように、滑り止めの改善が業務効率や安全性に直結する重要な課題であることが確認されました。