愛知県で次世代バイオ燃料による旅客バスの運行実証がスタート
2025年4月から、愛知県で次世代のバイオ燃料「出光リニューアブルディーゼル(IRD)」を使用した旅客バスの公道運行が実施されます。この取り組みは、出光興産、名鉄バス、名鉄エリアパートナーズの3社によるもので、東海地区においては初めての試みとなります。
新たなバイオ燃料「IRD」のメリット
今回のバイオ燃料、出光リニューアブルディーゼルは廃食油や植物油を原料にしており、環境への配慮がなされています。この燃料は、ライフサイクルアセスメントにおけるCO2削減率が80%以上、軽油の燃焼に伴うCO2削減率は100%に達します。バイオ燃料の燃焼によってCO2は排出されますが、原料として使用される植物が成長する過程でCO2を吸収するため、実質的にはカーボンニュートラルな燃料とされています。
実証運行の概要
名鉄バス津島営業所で運行されるこのバスは、名古屋から長島温泉を結ぶ近距離高速バス路線に投入され、運行と同時に環境への配慮が実証されます。運行は2025年4月から2026年3月までの予定で、最大4往復の運行が計画されています。年間のCO2削減量は約69トンと見込まれており、地域の環境保全にも寄与することが期待されています。
貢献する企業の取り組み
出光興産は、安定的なエネルギー供給と品質の確保を重視し、特約販売店を通じてラストワンマイルまでの供給網を整備しています。また、名鉄バスは既にハイブリッドバスや電気バスを導入しており、最新の環境技術を取り入れることでカーボンニュートラルへの取り組みを強化しています。
名鉄エリアパートナーズは、使用済み食用油を活用したエネルギーの地産地消を積極的に推進し、環境負荷の低減を目指しています。
地域社会の未来を見据えて
出光興産、名鉄バス、名鉄エリアパートナーズの3社は、環境にやさしい交通手段の実現に向けて連携を強めています。持続可能なエネルギーを推進することで、地域社会に貢献し、次世代の環境負荷を軽減する実証実験が注目されます。
この新たな試みは、他地域への展開やバイオ燃料の普及にも波及することが期待されます。出光リニューアブルディーゼルを使用した旅客バスの運行実証が、未来の交通インフラへとつながる一歩となるでしょう。