JR東日本とJALによる地産品の新たな輸送プロジェクト
2025年10月、地元の梨が仙台からシンガポールへ輸送される初のトライアルが行われる。これは、東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)と日本航空株式会社(JAL)が手を組み、両社のネットワークを活用した新しい輸送方法を試みるもの。
この取り組みでは、JR東日本の鉄道貨物輸送サービス「はこビュン」とJALの国際航空貨物輸送を組み合わせ、新幹線と航空機の迅速性を活かし、地元の優れた地産品を約19時間でシンガポールまで届けることを目指しています。これにより、輸送時間の大幅な短縮と地域経済の活性化が期待されています。
海外輸送の概要
本プロジェクトの実施日は2025年10月7日から8日まで。仙台駅を出発する新幹線やまびこ212号が12:01に発車し、東京駅には14:16に到着。その後、羽田空港からJALの国際線35便でシンガポールへ向かいます。
輸送されるのは、約300玉の梨です。これらは仙台ターミナルビル株式会社が運営する「JRフルーツパーク仙台あらはま」で収穫されたもので、樹上でじっくり熟成されたもの。この新しい輸送企画は、地域からの地産品をシームレスに海外へ届けることを実現します。
シンガポールでのPR・販売
梨の輸送後は、2025年10月9日から11日までシンガポールのGuoco Tower Urban Parkにて開催される「THE JAPAN RAIL FAIR 2025」において、PRと販売活動が行われます。仙台の魅力を発信するこのイベントでは、梨の試食や販売などを通じて訪れるシンガポールの人々に地域の文化や食を紹介します。
プロジェクトの背景
近年、物流業界ではトラックドライバーの不足やCO2排出の問題が深刻化しています。JR東日本とJALが連携することにより、モーダルシフトを促進し、持続可能な物流の実現に寄与することが期待されています。シンガポール市場は、日本からの地産品に高い関心を持っており、今回の試みが成功すれば、今後さらなる海外輸出のチャンスとなるでしょう。
未来の展望
今回のトライアルを通じて得られる知見をもとに、JR東日本とJALはさらなる連携を深めていく方針。地域経済の発展を目指す中で、地産品の海外輸出を拡大していくための新たなプランが期待されています。今後も、両社は「共創プロジェクト」として、東北地域や日本全国の魅力を海外に発信し、人流・商流の創出に努めていくでしょう。これからの展開に目が離せません。
日本の美味しい地産品を、世界へと効率的に届けるための新しい取り組みに、ぜひご注目ください。