高萩市の「MyRideのるる」がJCOMMプロジェクト賞を受賞
茨城県高萩市で運行されている呼出型最適経路バス「MyRideのるる」が、令和7年度の「JCOMMプロジェクト賞」を受賞しました。この賞は、日本モビリティ・マネジメント会議(JCOMM)によって、都市・地域のモビリティの質的改善に寄与するプロジェクトに対して授与される栄誉あるものです。
「MyRideのるる」とは
「MyRideのるる」は、人工知能(AI)を活用し、利用者からのリクエストに応じてリアルタイムでバスの運行経路やダイヤを調整することができる新しいタイプの公共交通システムです。2021年から段階的に実証運行を続け、2022年10月には正式に運行を開始しました。2024年10月からは朝夕の運行時間やエリアを拡大する予定です。
導入以降、「のるる」を利用する人は、実証運行開始前の1.24倍に増加しており、地域住民にとって欠かせない移動手段として位置づけられています。このような成功により、公共交通の新たなモデルとして地域外からの注目も集まっています。
JCOMMプロジェクト賞とは
JCOMMプロジェクト賞は、公益社団法人土木学会のJCOMM実行委員会によって選定されます。この賞は、渋滞の緩和や環境問題の解決、都市構造の改善など、交通に関する多様な課題に対する革新的な解決策を提案するプロジェクトに贈られます。選考基準には、新規性だけでなく、その完成度や応用可能性も評価対象とされています。
評価されるポイント
JCOMM実行委員会からは「MyRideのるる」が高く評価されています。その理由は、AIオンデマンド交通を利用して、特定の地域や時間帯における移動需要に適した運行を実現している点です。また、乗客数の増加によって、既存の一般路線バスよりも効率的な運行を実現し、自家用車からの公共交通への転換を促進しています。こうした取り組みは、地域課題の緩和に寄与しているとして高い評価を受けています。
地域との連携
「MyRideのるる」は、高萩市の市民、商業施設、学校、病院などと連携しながらサービスを改善してきました。このように地域全体で支え合う取り組みは、地域のニーズに応じたサービスの提供を可能にしています。今後も市民の理解と協力を得ながら、より便利で安全な公共交通サービスの提供を目指して進化していくことが計画されています。
地方における移動手段の選択肢は限られている中で、「MyRideのるる」のような革新的なサービスが広がることで、地域社会の活性化につながっていくことを期待しています。受賞を機に、一層の発展を遂げることを願っています。