証券ビジネスプラットフォームにおけるパスキー認証機能の意義
株式会社スマートプラスが、証券ビジネスプラットフォーム「BaaS(Brokerage as a Service)」に業界初となるパスキー認証機能を導入することが発表されました。この新技術は2025年8月6日から利用可能となります。
パスキー認証導入の背景
最近では、証券口座への不正アクセスが深刻な問題となっています。フィッシングやパスワードリスト攻撃など、従来の認証手段ではリスクを十分に回避できないことが多く、金融庁や日本証券業協会からもオンライン取引におけるセキュリティ強化の要請が高まっています。その緊急なニーズに応えるため、「BaaS」へのパスキー認証機能の導入が決定しました。この技術は、FIDOアライアンスの基準に準拠しており、フィッシング攻撃からの耐性を持ちつつ、従来のパスワードよりも便利に利用できるとされています。
具体的なサービス展開
最初にパスキー機能を導入するパートナー企業として、三菱UFJアセットマネジメント株式会社の「mattoco+(マットコプラス)」が名を連ねています。この機能は追加費用なしで利用できるため、パートナー企業にとっても負担が少なく、高いセキュリティをすぐに導入できます。今後2025年9月末にかけて、パートナー企業のサービスに順次展開される予定です。
お客様とパートナー企業のメリット
お客様にとっての利点
1.
セキュリティ面の向上
パスキーには、多要素認証機能が含まれており、他の認証手段を組み合わせることなしに、パスキー単体での認証が可能です。このためフィッシングサイトやパスワードリスト攻撃によるリスクを大幅に軽減します。また、認証強度もユーザー設定に依存しないため、常に一定の強度を誇ります。
2.
利便性の向上
指紋や顔認証により即座にログインが可能で、複雑なパスワードを管理するストレスが軽減されます。また、複数のデバイス間でパスキーが簡単に同期できるため、多様なデバイスでシームレスなビジネスを実現します。
パートナー企業にとってのメリット
1.
コスト削減
SaaS型システムの自動アップデート機能により、追加開発の必要がなくコスト面での優位性があります。また、運用や保守に関わる費用も当社が担当するため、それらの負担が軽減されます。
2.
競争優位性の確保
業界初の対応となるパスキー認証を導入することで、他社との差別化が図れ、顧客満足度の向上に寄与します。顧客のセキュリティ不安を払拭することでブランド価値の向上が期待できます。
今後の展望
株式会社スマートプラスは引き続き、セキュリティ施策の継続的な推進を目指します。すでにマイナンバーカードを用いた公的個人認証サービスを導入しており、今回のパスキー認証と併せて多層的なセキュリティ対策を構築しています。さらに最新の技術とのシームレスな連携や、法制度変更への迅速な対応を行い、利用者に高品質なサービスを提供し続ける方針です。
「BaaS」はAPIベースの証券ビジネスプラットフォームであり、業務システムをクラウドで一元管理する方式を採用しています。フロントシステムとミドル・バックシステムが分離されており、迅速な機能提供が可能となっています。このシステムを利用することで、低コストでスピーディーに高付加価値な独自サービスの展開が実現できます。
結論
証券業界におけるパスキー認証の導入は、顧客やパートナー企業にとって多くのメリットをもたらすことが期待されています。安全性と利便性を両立した新たなサービスの提供によって、今後も金融業界での競争力を維持し続けることが重要です。