アムジェンが骨粗鬆症対策を強化する「Project Galaxy」を始動

アムジェンの新たな挑戦：Project Galaxy

アムジェン株式会社がこのたび、骨粗鬆症の診断や治療にまつわる課題解決に向けた新たなプロジェクト「Project Galaxy」を発表しました。このプロジェクトの目的は、特に早期治療が求められる骨折リスクの高い患者を保護する環境を整えることです。目標は2030年までに、骨粗鬆症による大腿骨近位部骨折と椎体骨折を半減させること。そのために、産官学の連携を重視した多面的な取り組みを展開します。

Project Galaxyの4つの柱

「Project Galaxy」では、以下の4つの主要な戦略を立てています。

1. 医師と患者のコミュニケーションの円滑化：医療従事者が患者に向けた教育支援ツールを用意し、骨密度測定を効果的に促進します。

2. 最新の科学的知見の普及促進：医療従事者向けのメディカル・エデュケーションを通して、関連知識を広めていきます。

3. データとエビデンスの拡充：臨床研究やガイドラインの普及を促進し、治療現場での改善に寄与する研究を支援します。

4. 地域医療ネットワークの構築・強化：医療機関間の連携を強化し、骨折リエゾン・サービスを構築します。

特にデータとエビデンスの拡充は、今回のプロジェクトの中核を成す重要な要素です。

JOINT-08試験の意義

プロジェクトの主要な試みの一つとして、JOINT (Japanese Osteoporosis Intervention trial)-08試験が挙げられます。この大規模臨床試験は、骨折リスクの高い骨粗鬆症患者に対して、骨形成促進薬と専門的な治療管理の効果を検証します。日本において約300の医療施設がこの試験に参加する予定です。JOINT-08試験を通じて、最適な治療法を確立できることが期待されています。

K-STOP Extension研究での地域医療への貢献

熊本大学整形外科との共同研究「K-STOP Extension」では、熊本県内の医療ネットワークを構築し、二次性骨折予防のための新たな治療法を模索します。骨粗鬆症患者における大腿骨近位部骨折の予防を目的としており、地域医療の強化に寄与するでしょう。

研究助成プログラムの設立

さらに「JOIN (Japan Osteoporosis Implementation Network) Grant」では、骨粗鬆症の研究や関連分野の若手研究者に対する資金提供を行います。この助成プログラムは、病気の診断・予防・治療に関する研究を活性化することを目的としており、最終的には骨粗鬆症による骨折を減少させ、患者のQOLを向上させることを目指しています。

アムジェンの思い

アムジェンの秋月玲子氏は、「Project Galaxy」という名称には、様々な取り組みを繋ぎ、患者様の治療に関与する決意が込められています。このプロジェクトを通じて、骨粗鬆症による骨折リスクを軽減し、患者の生活の質を向上させることに尽力すると語っています。

骨粗鬆症による脆弱性骨折の現状

骨粗鬆症は、特に高齢者にとって深刻な課題です。50歳以上の女性の約3人に1人、男性の5人に1人が生涯に脆弱性骨折を経験するとのデータもありますが、日本の患者のわずか20%しか治療を受けていないのが実情です。これに伴い、介護や経済的負担も大きくなっています。

アムジェンでは、患者とその家族のための情報提供ウェブサイトも運営しており、骨折のリスクチェックなどが可能です。興味のある方はぜひ訪れてみてください。