令和8年から始まる子育て支援金徴収について知っておくべきこと

令和8年から始まる子育て支援金徴収について

少子化対策の一環として、令和8年4月から新たに「こども・子育て支援金」が導入される予定です。この支援金の徴収は、主に被用者保険に加入している労働者に適用され、毎月約450円の負担が見込まれています。この制度の導入にあたり、企業にとっては人事部門が特に注意を要するポイントがいくつか存在します。

支援金の徴収が始まる理由

子育て支援金制度は、日本の少子化問題を解決するための重要な施策です。財源を確保するために、企業が給与からの控除を通じて労働者から資金を徴収することとなります。しかし、この制度に対する誤解や不安が広がると、従業員の不信感を招くことになります。

企業としては、従業員に対する適切な情報提供が求められます。給与明細や控除項目において、どのように情報を伝えるかが重要になるでしょう。

企業が押さえておくべき説明ポイント

1. 徴収開始時期: 2026年1月7日のセミナーでは、具体的な徴収開始日についての説明が行われます。企業は、この日を従業員への周知を始める目安とし、事前に準備を進める必要があります。

2. 負担額: 月々450円という額は、全ての被用者保険加入者に適用されることが予定されていますが、健康保険の区分により若干の変動がある可能性もあります。従業員からの質問に対して、自社の負担額について正確に答えられるようにすることが不可欠です。

3. 段階的な引上げ: 令和9年及び令和10年には、支援金の徴収額が段階的に引き上げられることが見込まれています。この変更についても、あらかじめ従業員に理解してもらえるよう、透明性をもって説明することが重要です。

4. 給与明細の見方: 従業員が給与明細を見た際に、どの項目で支援金が控除されているのかをはっきり説明できるよう対応準備を進める必要があります。特に新しい控除項目に関して、混乱を避けるために、将来的にはHRシステムやマニュアルの見直しも行うべきです。

5. コミュニケーション戦略: 制度を「増税」として受け取られないようにするためには、その意義や必要性をしっかりと説明する必要があります。「子育て支援」というポジティブな側面を強調し、従業員にまず理解してもらうことが肝要です。

セミナー詳細と講師

この課題に対する具体的な質問にお答えするセミナーが、2026年1月7日に開催されます。特定社会保険労務士の小野純（おの・じゅん）氏が講師を務め、企業の人事担当者が参加することで、より実践的な知識を得られる場となります。

小野氏は、法律を現場に落とし込む実践的な講義で定評があります。労務やハラスメントに関する数多くの研修を行ってきた実績を持ち、参加者には具体的なケーススタディを通じての学びが期待されます。