大和財託が建築系の賃上げ実施最大33%のベースアップを実現

大和財託が建築業界に変革をもたらす賃上げ

大和財託株式会社（本社：東京都渋谷区）は、2025年9月1日から施工管理や設計などの専門職に対して賃上げを実施することを発表しました。最大で33%のベースアップが行われ、既存社員に加え、2026年4月に入社予定の新卒社員もこの待遇改善の対象となります。これにより、業界全体に新風を吹き込むことを目指しています。

賃上げの背景

大和財託では毎期全社員を対象に昇給を行っていますが、今回は特に建築技術職への重点を置いた賃上げとなります。この賃上げは、施工管理職における人材不足が深刻化している現状を反映したもので、将来的な事業の拡大と安定に向けて専門的なスキルを持つ人材を確保する重要性が増しています。さらに、RC造案件の増加や事業領域の拡充に伴い、建築部門の強化が急務となっています。

この背景には、近年の建築系人財の採用難易度が上昇し、同業他社との人材獲得競争が熾烈になっていることも挙げられます。これに伴い、報酬面での優位性を築くことが企業選びにおいても重要な要素とされるようになっています。大和財託は、こうした課題を踏まえ、戦略的な人事施策を推進することで建築技術職に対する処遇の見直しを実施しました。

建築業界の現状と課題

現在、建築業界は労働人口の減少と高齢化に伴い、深刻な人材不足に直面しています。1995年をピークに、業界の労働者数は減り続けており、若年層からの人気も低下しています。このままでは業界の持続可能性が危ぶまれ、さらには労働環境への不満が募ることとなってしまいます。大和財託は「長時間労働・低賃金」といった従来のイメージを払拭し、働きやすく成長できる環境整備に力を入れています。

特に施工管理職においては、労務管理を徹底し、建築業界に“働きがい”を取り戻すための施策を進めています。更には、未経験の人材も積極的に採用し育成に取り組むことで、安心してキャリアを築ける環境を提供し、業界の未来を担う新たな人材を育てることを目指しています。この賃上げも、その具体的な取り組みの一つです。

企業としての未来

大和財託は、不動産・建築領域を通じて顧客や取引先、社員の生活の質向上に貢献することを企業理念としています。今後も業界内での競争力を維持し、高め続けるためには、専門的な人材の確保と定着が不可欠です。2025年の賃上げによって、より多くの優秀な人材が集まり、業界全体の変革を牽引する存在となることを期待しています。