京都のフランス人アーティストkumaの作品
京都・水尾を拠点に活動するフランス人アーティストkuma(クマ)は、日本の詩と美をテーマにした作品を通じて、千年の歴史を持つ日本文化に新たな光を当てています。彼のアプローチは、純粋な再現や過去の模倣にとどまらず、「今」にフィルターを通した新しい解釈が特徴です。
日本との深い結びつき
「なぜ日本か?そこに “ただいま” を感じるから。」この言葉には、kumaが日本という土地に抱く深い愛情が表れています。彼が作り上げた四つの創作プロジェクトは、すべて異なる形態を持ちながら、共通のテーマ—日本古典の魅力を現代に伝えること—を追求しています。
1. 『日楽吟(にちらくぎん)』日本語版の刊行
最初のプロジェクトは、kumaがフランス語で書き下ろした詩的な断章で構成された作品集『日楽吟』です。この本では、彼が「なぜ私は日本を好きなのか」と問いかける内容が詩的に綴られています。日本独自の風土や文化に対する深い観察が織り込まれた、短歌や俳句とは異なる新たな詩の姿を楽しむことができます。翻訳版には日本人のポートレートが添えられており、彼の視点で捉えた日本が感じられる一冊です。
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2. アルバム『百人一首』:平安の恋歌を新たに
次に、彼が取り組んだのはアルバム『百人一首』です。これは平安時代の恋の歌をテーマにし、13のフランス語オリジナル楽曲としてアレンジされた作品です。ボサノヴァやシャンソン、さらにはフレンチラップなど多様な音楽スタイルが融合し、古代の言葉が今の時代のリズムで甦ります。音楽の力で、古典がどのように現代とつながるかを体感できます。
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3. 書道コンテスト『和漢朗詠集』
さらに、kumaは書道コンテストを通じて、千年前の日本の言葉を筆で表現する機会も提供しています。このコンテストでは『和漢朗詠集』を題材に、参加者が好きな一首を選び、自分の思いや感触を自由に表現します。優秀者には特典も用意されており、地域の文化に貢献する姿勢も感じられます。
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4. ギャラリー「gallery kuma」の開廊
最後に、彼が新たにオープンするギャラリー「gallery kuma」も見逃せません。築百年以上の蔵を改修したこの空間では、kumaが制作した茶道の茶碗や工夫茶の器が展示されます。静かで温かみのある器の数々は、手のひらや光と共に時を語りかけてくれます。また、訪問者は愛宕神社への散策と合わせて、心豊かな時間を過ごせることでしょう。
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kumaの作品は日本文化への愛と敬意を基にしており、彼の視点から見た日本の美しさを享受できる素晴らしい機会となります。今後の活動から目が離せません。