警察官が描く新感覚ミステリー
広島を舞台にした新しい警察ミステリー小説、仁科裕貴氏の『こちらはただの「落とし物係」です!──警察行政職員・音無遠子の流儀』が、発売からわずか3か月で5刷に突入しました。この作品は、著者が自身の野望に向かって選んだ異色のキャリアに基づいて生まれており、非常に興味深いものとなっています。
異色の経歴を持つ作家
仁科裕貴氏は、広島県生まれで、奈良教育大学を卒業後に警察官としてのキャリアを積んできました。彼は、作家としての道を歩む前に、警察官の職務を通じて得た知識を小説に活かすことを考えました。彼の視点から描かれる広島の警察業務は、リアリティと新鮮さに満ちています。
仁科氏は、自身の警察官時代の経験が作品に大きな影響を与えていると語ります。「警察官時代に培った知識や経験を基にして、ユニークなミステリーを創り上げています。署内には、警察官だけでなく、さまざまなキャラクターがいる。このような裏方の視点の重要性を強調したいです。」と、彼の作品に対する思い入れを語りました。
作品の魅力
本書の主人公は、広島県警皆実署の会計課で働く音無遠子です。ある日、落とし物として届けられた小さな仏像が、彼女の人生を一変させるきっかけとなります。仏像に触れた瞬間、彼女の脳裏に突如として映像が浮かび上がり、男性から女性がマンションから落ちるという衝撃的なビジョンが現れます。
「地味な事務員」の彼女と、「強面刑事」との凸凹コンビが、落とし物の記憶を手がかりに事件に挑む姿は、まさに新感覚のミステリーです。一見地味に見える事務仕事が、実は大きな事件の鍵を握っているという展開は、多くの読者に予測を覆される楽しさを提供してくれるでしょう。
ジャンルの枠を超えたストーリー
この警察ミステリーは、ただ単に事件を解決するだけに留まらず、登場人物たちの人間模様や情感も丁寧に描かれています。読者にとって、物語の中にある感情の機微を感じることも楽しめる新たな体験となるでしょう。加えて、広島を舞台にすることで、地域社会や文化に対する理解も深まると思います。
仁科裕貴のさらなる展望
『こちらはただの「落とし物係」です!』は、仁科氏にとって、これまでのキャリアの集大成ともいえる作品です。今後も彼は、新たなシリーズの展開を視野に入れ、さらなる作品制作に取り組む意向を示しています。これまでの警察小説には見られなかった視点から、どのようにストーリーが進化していくのか、多くのファンが楽しみにしています。
最後に、この作品が日本のミステリー小説に新たな風を吹き込むことを期待します。広島を背景にした仁科裕貴の警察小説、ぜひ手にとってみてはいかがでしょうか。