日本の半導体AI競争力再生に向けた新たな戦略の提案
2023年1月22日、AIデータ株式会社は「AIエージェント×AXフォーラム~半導体AI~」を東京都港区で開催しました。このフォーラムは、日本の半導体産業の競争力強化を目的とし、政府が推進する「重要17分野」の一つである半導体AI分野に焦点を当てています。
国際的な競争が激化する中、岐路に立つ日本の半導体産業。AIが設計、製造、品質管理、知的財産、経営といった複数の分野において支援することで、次世代の開発・経営モデルが求められています。
セッション1: 半導体AI時代の国家競争力再生
AOSグループの代表、佐々木隆仁氏が講演し、半導体とAIを巡る国際競争に対抗するための戦略「AI PMO」と「MOAT OS」について紹介しました。従来の技術導入に留まらず、国家や企業レベルでのAI活用を一元的に推進する必要性を述べ、データと半導体、AIを一体とした管理の重要性を強調しました。特に、知的財産やデータを守りながら価値を蓄積する「MOAT(堀)」の構築が必要であると指摘しました。
セッション2: AIによる半導体開発の変革
続いて、AIデータ株式会社のCTO、志田大輔氏が登壇。「AI ChipInfra on IDX」による半導体開発のAIエージェント活用の可能性を語りました。AIエージェント群が「7人のAI参謀」として機能し、開発プロセス全般にわたって意思決定支援やノウハウの活用を促進することが説明されました。これにより、開発期間の短縮と品質向上が期待されています。
セッション3: 酸化物半導体技術の最新動向
奈良先端科学技術大学院大学の浦岡行治教授が、3次元LSIの高性能化を支える酸化物半導体技術について、微細化の限界を乗り越える手法として語りました。高い電子移動度を持ち、低温プロセスに適した特性を持つ酸化物半導体が、次世代デバイスにおける重要な材料として期待されています。
セッション4: インターコネクション樹脂技術の革新
AI半導体の高性能化には、東レの藤原健典氏が解説したインターコネクション樹脂技術が欠かせません。ポリマーハイブリッド接合や再配線技術などが、パッケージの信頼性向上に貢献する様子が説明され、今後の技術課題と方向性に関しても触れられました。
特別セッション: 半導体・データ・知財の重要性
特別セッションでは、参加者によるディスカッションが行われ、データと知的財産の価値が一体で考えられることが重要であることが再確認されました。AI時代において、データの蓄積・活用が競争力を左右する重要な要素であり、その戦略的管理の必要性が議論に上りました。
次回のフォーラム
AIデータ株式会社は、2月19日に「航空・宇宙」をテーマにしたフォーラムを開催予定です。新たなテクノロジーとビジネスモデルが議論される場に、ぜひご参加ください。
日本の半導体産業が国際的な競争力を再生するための具体的な戦略と、それを支えるAI技術の導入が進む中、今後の動向が期待されます。