福岡飯塚市が初のブロックチェーン防災実証実験を完了し新たな一歩を踏み出す
福岡県飯塚市において実施された、全国初となるブロックチェーン技術を用いた防災関連の実証実験が完了しました。この試みは、地域の防災力を高めるために、最新のIT技術をどのように駆使できるかを探るものでした。3社が協力し、2025年12月から2026年3月にかけて実施された実証実験は、「令和7年度飯塚市先端情報技術実証実験サポート事業」の一環です。この実証の結果は2026年7月に、防災の最前線における課題と解決策を提示するレポートとしてまとめられました。
1. 実証実験の目的と背景
飯塚市は、2021年11月に日本の自治体として初めて「ブロックチェーン推進宣言」を行って以来、同技術を活用したさまざまな社会実験を展開してきました。今回の実証実験は、特に防災に焦点を当てています。具体的には、避難所での受付をデジタル化し、高齢者や外国人など多様な市民が簡単に利用できるシステムの構築を目指しました。避難所の問題点を克服するため、参加者が事前に登録した情報をスマートフォンで迅速に確認し、混乱を避けることを目的としています。
2. 実施過程と成果
実証実験では、まず2025年12月に第1回目の実験が行われ、参加者は実際に避難所でのロールプレイングを通じてDID/VC証明書の有効性を試しました。これは、手書きの受付とDID/VC認証を同じ条件下で実施し、時間を比較するもので、その結果、DID/VC認証は約69秒で完了し、手書きの2.2倍の効率を実現しました。
その後、1月から3月にかけては「飯塚市かんがえる防災クイズ」を展開し、市民に防災について考える機会を提供。すべての問題に「正解」がない形で設計され、条件に応じたDID/VC証明書が発行されました。
3. 課題と今後の展望
実証実験を通じて、技術自体の課題以上に「技術と人との関係性」に関する問題が浮かび上がりました。初めてブロックチェーンを利用する市民からは、「DID/VC」という用語の理解が難しいとの声もあり、次回の施策に向けた見直しが求められています。
また、避難所受付を根本から改善するには、既存のシステムとの統合が不可欠です。今後は、マイナンバーカードでは対応できない事例、例えば言語の壁がある外国人に対する受付システムなどに焦点を当てていく必要があります。
4. 最後に
飯塚市のブロックチェーンを活用した防災実証実験は、技術がただのツールでなく、それを使う人々の思いや行動が命を守る力になることを実証しました。この実験が他の地域にも広がり、地域の防災力向上につながることが期待されます。今後も飯塚市では、引き続きこの技術の有効利用を進め、地域の安心・安全を守る新たな取り組みを検討していくことでしょう。