乳幼児の創造力を育む新しい道具が誕生へ
2025年6月8日より、Porque ART(主宰:三木麻郁)が立ち上げのクラウドファンディングが始まりました。このプロジェクトは、0歳からの子どもたちが持つ創造性や探究心を引き出すための新しい画材道具の開発を目指しています。プロジェクトは2025年7月31日までの約2ヶ月間にわたり、支援を募りながら進められます。
背景と教育の現実
近年の幼児教育では、「自ら考え、試す」探究的な学びの必要性が高まっていますが、現在の画材や道具はこのニーズに応えきれていません。特に、日本においては明治時代から続く教育思想に基づいて作られた造形用具が、現代の幼児教育に適しているとは言えません。その一例が、幼児の絵の具遊びに使われる「筆洗機」です。
幼い子どもたちは「描く」ことに興味を持つ前に、使用する素材そのものの特性に対して探究心を抱きます。しかし、例えば色水を使った遊びでは、透明度の低い道具が使用されるため、変化を理解しにくいのが現実です。また、既存の「筆洗機」は、各社のカタログでも固定化された形状でしか提供されず、結果的に教育現場における道具選びが制限されています。
新たなアプローチ
本プロジェクトでは、特に2歳前後の幼児でも直感的に使いやすい道具の開発に取り組んでいます。目指すのは、創造のプロセス自体を楽しめるようにすることで、子どもたちの知的好奇心に応えることです。主な製品には、以下の2つが含まれています。
- - Watercup: 2歳児が簡単に水を汲んで運べる形状。透明素材を使用しているため、色水の変化や水の動きを観察しやすい特徴があります。また、汚れが落ちやすく、スタッキングが可能なデザインです。
- - Cup: こちらも2歳児向けの絵の具皿で、使いやすさを重視した設計。さらに、蓋付きで絵の具の保存がしやすく、透明素材により観察を促します。
プロジェクトの目標と支援のお願い
プロジェクトの初期目標は、100万円の支援を集めること。いただいた資金は、試作材料や製造コスト、ワークショップ・研修の開催費用に充てられます。また、支援に加え、情報拡散や感想を発信していただくことも非常に大きな力となります。
三木麻郁の想い
私、三木麻郁は、現代芸術家として8年以上にわたり子どもたちの「探究」と「表現」に向き合わせてきました。多くの子どもたちが生き生きとした表情で創造する姿を見ていると、アートが人間にとってどれほど必要かを実感します。現代ではアート教育への関心が高まっていますが、幼児期のアート環境は明治時代から大きな変化がなく、これは日本の現代アートが成長を遂げられない理由の一因とも感じています。
最後に
子どもたちの探究心を大人の準備不足で妨げてしまってはいけないとよく感じます。このプロジェクトを通じて、多くの方にこの課題を知っていただければ幸いです。ぜひご支援やご協力をお願い申し上げます。詳細や支援方法については、
こちらを参照ください。
取材・お問い合わせ先
Porque ART(ポルケ・アート)
主宰:三木麻郁
Email:maaya.miki@gmail.com
このプロジェクトが、より多くの子どもたちの創造性を育む一助となることを期待しています。