福井県で新たな食育モデルの実証授業
福井県坂井市立平章小学校で、教育ミールキット「おむすびシェフ」を利用した実証授業が行われました。この取り組みは、福井県教育庁と食教育に特化した株式会社MIRAIEが協力し、子どもたちの「自炊力」を高めることを目的としています。子どもたちが自ら調理を通じて食に向き合う機会を提供し、家庭、地域、学校をつなぐ食育の新しい形を目指しています。
実施概要
実証授業は、令和7年11月21日の月曜日に、坂井市立平章小学校にて行われ、5年生41名と2年生35名が対象となりました。授業は総合的な学習と家庭科で構成され、特に調理と食の学びに重点を置いています。参加した児童たちは、授業を通じて自分たち自身で食材を選び、調理し、食べることの楽しさを体験しました。
【授業内容】
- - 3時間目には、MIRAIEの共同代表である大宮千絵さんと安東迪子さんによる講演が行われ、「おむすびから見る世界と福井」をテーマに、世界各国のおむすびの事例をクイズ形式で学びました。参加児童たちは、おむすびを通して日本の食文化が世界中で楽しまれている様子を知り、自分たちが生活する地域の食材を使ったアイデアを発表しました。
- - 4時間目では、5年生が2年生をサポートし、収穫したお米を使って、具材たっぷりのおむすびを作り、また「まほうのみそスティック」を使ってみそ汁を調理しました。高学年が低学年を手助けすることで、協働の楽しさや思いやりの心を育みました。
おむすびシェフの特徴
「おむすびシェフ」は、子どもたちが包丁や火を使わずに調理できる設計となっています。料理研究家の福田淳子氏が考案したレシピは、子どもでも食べやすい味付けと調理法が工夫されており、例えば、野菜をたっぷりと使用したおむすびが特徴です。また、セミドライ製法で作られた「まほうのみそスティック」を使用することで、野菜の風味を損なわず、簡単に美味しいみそ汁を楽しむことができます。
食育の意義
今回の実証授業は、現代の食育の課題に対応するものであり、家庭科の授業時間が減少し、共働き世帯の増加により家庭での食育が限られる中で、子どもたちが自分で料理する「自炊力」を育む重要性を改めて認識させてくれます。また、米作りから調理、試食までの一連の流れを体験することで、地域の食文化や協力の大切さを学びます。
参加した子どもたちの声
- - 「にんじんが好きじゃなかったけど、ツナにんじんまみれを食べてちょっとだけ好きになった!」(5年生)
- - 「おむすびを作れて本当に嬉しかった!いろんなおむすびを作りたいです。」(5年生)
- - 「自分でも簡単に作れて楽しかった!」(2年生)
先生の声
本授業を通じて、子どもたちは作って食べる喜びを体験しました。この機会が彼らの心に残る貴重な経験になったと思います。(校長 奥村弘美氏)
今後の展望
MIRAIEは、今後も教育ミールキット「おむすびシェフ」を活用し、地域や学校との連携を深め、子どもたちの食に関する学びを充実させる取り組みを進めていく方針です。食育の未来を担う子どもたちへ、彼らの学びの場を提供し続けることが期待されています。