東京都交通局が実施した「SPACECOOL」の実証実験
東京都交通局は、スタートアップ企業であるSPACECOOL株式会社およびロンシール工業株式会社と提携し、放射冷却素材の一つである「SPACECOOL®」を使った共同実証実験を行いました。この取り組みは、営業所における電力使用量の削減を目的としています。さらに、この素材がどのように温度上昇を抑えるのかも検証されています。
実施内容
今回の実験では、SPACECOOL防水シート(現在名はイノベーションプルーフRR)が、自動車営業所の屋上に施工されました。この素材は、直射日光を反射し、建物内に熱が蓄積することを防ぐことを目的としており、これにより電力消費の削減を図ろうという試みです。
実施場所と期間
実験は、都営バス品川自動車営業所(所在地:品川区北品川1-5-12)にて、令和6年5月1日から9月30日までの約4ヶ月にわたって実施されました。
実験結果
結果として、営業所での電力使用が低減したことが確認されました。具体的には、以下のような数値が出ています。
(1) 営業所使用電力
令和6年の営業所の使用電力において、顕著な低下が見られました。数値データに基づく結果をもとに、この素材の効果を明確に示すことができました。
(2) 営業所屋上表面温度
さらに、令和6年8月の屋上の平均表面温度を調査した結果、SPACECOOLを施工した部分の温度が、同じ屋上に施工された従来型の遮熱防水シートと比べて、約7℃低減していることが確認されました。
この透明性のあるデータにより、「SPACECOOL」素材がもたらす効果が実証されたわけです。
まとめ
この実証実験は、地球温暖化が進む現代において、非常に意義のある企画です。都市部での熱島現象の緩和や、さらなる電力消費の抑制に寄与することが期待されています。今回はこの「SPACECOOL」を用いた取組みが、今後の他の施設への応用にもつながることを願います。今後もこのような環境に配慮した技術の導入が進むことを期待しています。