テラヘルツ帯通信の実証
2025-05-27 15:43:07

テラヘルツ帯と自律ロボットの未来を拓く新技術の実証実験

テラヘルツ帯と自律ロボットの未来を拓く新技術の実証実験



この度、三重大学を中心とした研究チームが、世界初となる自律移動型警備ロボットとのテラヘルツ帯通信の実証に成功しました。この取り組みは、国際電気、デクセリアルズ フォトニクス ソリューションズ、KDDI総合研究所、東洋電機の多様な企業とともに進められており、今後の社会実装へと期待が寄せられています。

1. 実証実験の概要


2025年2月19日、三重県津市にある三重大学の三翠ホールにて実施された実証実験では、自律移動型警備ロボットが走行中にGbps級の高速通信を可能にしました。この実験に使用されたのは、国際電気が開発した小型テラヘルツ帯トランシーバです。ロボットが時速1.5kmで移動しながら、固定基地局との間で高速通信を行い、4.54 Gbpsの通信速度が確認されました。

今回の実証では、屋内環境におけるマルチパスフェージングや伝搬減衰を考慮した小さな通信エリアでのデータ伝送を行いました。これにより、自律移動型ロボットに対するテラヘルツ帯通信の実用性が証明され、特に大規模イベントの際に役立つ新たなユースケースの可能性が広がりました。

2. テラヘルツ通信と光無線の融合


次に、2025年4月22日に東京都小平市の国際電気東京事業所で行われた実証実験では、テラヘルツ帯通信とオール光型光無線通信システムを縦続接続し、大容量データの伝送に成功しました。これにより、両システムの強みを組み合わせたハイブリッド通信システムの運用が示されました。

具体的には、光ファイバと光無線を利用し、特定の電波を生成・調整することによって、安定した通信速度を達成しました。この取り組みは、テラヘルツ通信と光無線の双方の特性を活かし、移動体通信に新たな道を開くことが期待されています。

3. 高速・大容量通信の未来


テラヘルツ帯は、次世代の無線通信として高い注目を集めています。従来の無線通信と比べ、周波数が10倍から100倍高いため、より大きなデータ容量を扱うことができます。これにより、高速通信が可能になり、例えば大規模なイベント会場などでの利用が見込まれます。

想定されるユースケースの一つには、会場と光ファイバを光無線で接続し、数多くのテラヘルツ帯スモールエリアを設置することが挙げられます。これにより、臨時の通信回線を実現しることで、大容量のデータ通信が行える環境が整うのです。

4. 社会実装への期待


本実証実験は、革新的情報通信技術(Beyond 5G)基金事業の一環として行われており、政府や民間企業との協力によって実現しました。今後は、各企業が共同で取り組みを進め、テラヘルツ帯通信を社会実装するための道筋を作っていくことが求められます。これにより、より安全で効率的な未来が拓かれることを期待しています。

5. お問い合わせ


詳細についてのお問い合わせは、三重大学や国際電気などの関係者へご連絡いただければ幸いです。

この新技術は、未来の通信環境を大幅に変える可能性があります。今後の続報にもぜひご注目ください。


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