注目の現代作曲家坂東祐大新作シアターピース『キメラ』発表へ

坂東祐大新作ワーク・イン・プログレス『キメラ』

現代音楽の新星、坂東祐大が新たなプロジェクトを発表します。彼の新作ワーク・イン・プログレス『キメラ - あるはずのないメソッドの空想』は、2025年2月22日（土）に彩の国さいたま芸術劇場の小ホールで開催されます。この試みでは、坂東自身が抱える「異化」や「脱構築」といったテーマが音楽にどのように反映されるかが注目されます。

坂東は現代音楽のみならず、映像作品の劇伴や多様なジャンルで活発に活動しており、これまでに数々の受賞歴を誇ります。特に彼の作品には、オーケストラや室内楽、シアター・パフォーマンスといった多面的な表現が見受けられ、彼の独特のスタイルとアイディアを融合させた音楽は新しい音楽体験として多くの支持を受けています。

この公演では、坂東が発表する新作の音楽が実際にどのように構築され、その過程でどのような新しい美意識が浮かび上がるのか、とても興味深いものとなるでしょう。公演は二部構成で、第1部では「あるはずのないメソッド」のレクチャーが行われ、第2部ではそのメソッドを用いた新たなシアターピースとしてのキメラ音楽が披露される予定です。

坂東は自らの活動を振り返り、西洋音楽の歴史観から少し距離を置くことに挑戦しています。彼は日本の伝統音楽や西洋音楽の交差点に立ち、異なる文化の要素を取り入れながら新たな音楽を探求しています。例えば、もし日本に西洋音楽が導入された際に異なる経緯を辿っていたらどうなるか、また伝統楽器が異なる発展を遂げたらどうなるかといった仮想を基に、音楽の解体と再構築を試みています。

坂東が手掛けた作品には、尺八独奏のための「秘曲《象息之調》」や、多様な楽器によるシアターピースが含まれています。共演者として、フルートの多久潤一朗、尺八の長谷川将山、ヴァイオリンの尾池亜美、箏のLEOといった実力派音楽家たちが参加します。彼らの演奏を通じて、様々な音楽が一つのメソッドから生まれる様は、一種の実験的なアートとしても楽しめるものとなるでしょう。

チケットは一般2,500円、U-25が1,500円と手頃な価格に設定されており、25歳以下の方々を対象にしたサービスも用意されています。公演の詳細については、SAFチケットセンターまでお問い合わせください。

坂東祐大の多様な音楽活動を追体験できるこの機会を、ぜひお見逃しなく。新たな音楽の可能性を探る一歩として、『キメラ』は一つの明るい将来を示していることでしょう。今後の展開にも大いに期待したいですね。