ベトナムにおける幼児音楽教育の革新—学研とYamahaが手を組む新しい挑戦

ベトナムにおける幼児音楽教育の革新

株式会社学研ホールディングス（以下、学研）は、Yamaha Music Vietnam（以下、YMVN）と提携し、2025年7月28日にベトナムにおける新たな幼児音楽教育カリキュラムを発表しました。この新プログラムは、両社の“学びの共創”に基づくもので、子どもたちの音楽文化を育む一環として、魅力的な教育を提供することを目指しています。

音楽文化の裾野を広げる

今回の提携は、YMVNが「幼児教育の場から音楽文化を広げたい」という情熱を持って進めたプロジェクトで、学研が展開するGakken STEAM Program（以下、GSP）の理念と合致しました。GSPは、科学・プログラミング・数学を各週一回のペースで育むプログラムですが、音楽教育が加わることで、子どもたちの「感じる力」「表現する力」「協調する力」を育成することができます。対象年齢は3～6歳で、年間契約に基づき、経験豊かな講師が直接授業を行います。

現地のニーズに応えるカリキュラム開発

ベトナムでは義務教育前の音楽教育はあまり普及しておらず、保護者の間では「子どもに感性や協調性を育ててほしい」というニーズが高いです。その声を反映すべく、YMVNとKiddiHubは、幼保園の経営者や保護者からのフィードバックを収集しました。アンケートやインタビューを通じて、実際にどのような内容が求められているのか、また教育の普及に関する意見を把握し、カリキュラムの設計に役立てています。

実際の授業での反響

音楽カリキュラムの試行授業では、ハノイやホーチミンの複数の幼保園で子どもたちが実際にレッスンに参加。講師の熱意ある指導のもと、子どもたちは楽器を使っての音楽体験をし、全身で音楽を楽しむ姿が見られました。これにより、現場の保育士も子どもたちの反応を観察し、カリキュラムと保育の統合の重要性が浮かび上がりました。

これからの展望

すでに試行授業を経た幼保園では、2025年9月から正式に新しい音楽カリキュラムの導入が決定され、新学期から本格的な教育が始まります。音楽の中で自分を表現し、友達とともに新しい経験を分かち合う場が広がることが期待されています。また、GSPを通じて育まれた子どもたちが、将来的にはヤマハ音楽教室に通うなど、持続的な音楽教育の流れができることも視野に入っています。