知念実希人が放つ新たな恐怖とは?
日本の医療ミステリー界で名を馳せる知念実希人氏が、前代未聞のモキュメンタリー・ホラーを2ヶ月連続で発表します。特に注目を集めているのは、8月20日発売の『スワイプ厳禁 変死した大学生のスマホ』と、9月18日発売の『閲覧厳禁 猟奇殺人犯の精神鑑定報告書』です。この二つの作品は、知念氏の作家としての幅広いスキルを垣間見ることができる仕上がりになっています。
スマホホラーの新境地
『スワイプ厳禁 変死した大学生のスマホ』は、スマートフォンのサイズに合わせた特別なフォーマットで刊行されます。物語は、大学生の一色和馬がサークルのOBに勧められて手を出した「やばいバイト」から始まります。しかし、次第に彼のスマホに不可解な現象が起こり始め、暗い服を着た女性や体中に目を持つ怪物など、恐ろしい都市伝説が絡み合っていきます。左ページに物語が展開され、右ページには彼のスマホ画面が描かれるという、唯一無二の構成が施されています。この「スマホ本」という新しい試みが、読者にとってどれほど新鮮な体験になるのか、期待が高まります。
精神鑑定報告書の裏に隠された真実
次に紹介する『閲覧厳禁 猟奇殺人犯の精神鑑定報告書』は、東京都で起きた残虐な猟奇事件を描いた作品です。自称フリーライターの八重樫によって11名が惨殺され、その背後には何か通り一遍ではない事情が隠されていることが次第に明らかになります。精神鑑定医の上原香澄が八重樫との面談を通して、奇妙な廃病院や謎の実験に辿り着く過程は、まるでスリラー映画のような展開です。読者が自ら真相を解き明かさなければならないため、まさに「あなた」がこの物語の鍵を握る存在となります。
知念実希人のこれまでとこれから
知念実希人氏は、沖縄県出身で東京慈恵会医科大学を卒業した医師でもあり、作家として数々の魅力的な作品を世に送り出しています。『崩れる脳を抱きしめて』や『ムゲンのi』といった作品では、本屋大賞に5度ノミネートされ、医療ミステリーの巨匠としてその名を確立しました。モキュメンタリーという新たなジャンルに挑む今回の作品も、彼独自の視点と体験が色濃く反映されています。
読者へ向けてのメッセージ
知念氏自身も「現実とフィクションの境目が壊れる」と語る新作たち。彼の作品を読み進めることで、恐怖と昂揚感が交錯する独自の体験を味わうことができるでしょう。ホラー新時代を切り開く彼の挑戦を、ぜひお見逃しなく。読者の皆さんには、この問題作を手に取り、知念実希人が描くディストピアへ飛び込んでいただきたいと思います。