未来の可能性を描く舞台『HINOTORI 火の鳥』
2025年9月13日、ロームシアター京都での公演を皮切りに、同年10月には東京・なかのZERO大ホールで、音楽と身体が交差する壮大な舞台芸術『HINOTORI 火の鳥・山の神篇/火の鳥・海の神篇』が上演されます。この作品は、空間演出家小池博史氏によって演出され、7か国のアーティストが参加し、国際的なコラボレーションによって創作されています。
本作は、2022年に始まった「火の鳥プロジェクト」の最終章であり、ポーランド、マレーシア、ブラジルの3つの作品を基にしています。多国籍のアーティストたちとの4年間にわたる共同制作を経て、舞台上には火の鳥伝説が描く「死と再生」の物語が展開され、混沌とした時代に生きる私たちの「未来の可能性」を強く打ち出しています。
国境を越えるアートの力
本作では、演劇、ダンス、音楽、美術、映像が一体となり、圧倒的な音楽の多層性が特徴です。ポーランド、マレーシア、ブラジルから集まった演奏家たちが、雅楽や聲明といった伝統音楽からジャズ、ラップ、カルナティック音楽、そしてブラジルのビリンバウやポーランドの民族楽器まで、多様な音楽スタイルを融合させます。この音のモザイクは舞台空間をダイナミックに構築し、観客を引き込みます。
舞台には、能役者、日本舞踊家、ジャワ舞踊家、邦楽師が登場し、7つの言語(日本語、英語、ポーランド語、ジャワ語、北京語、ポルトガル語)が交錯します。これにより、文化と体の動きが観客に直接訴えかけ、普遍的なテーマである「身体と言葉」「神話と現代」「死と再生」が表現されます。
現代社会への問いかけ
『HINOTORI』は、人工地震や都市崩壊といった現代社会の現実を反映しています。AIやパンデミック、地政学リスクを背景に、私たちが「生きる意味」をどのように再考するかが中心テーマです。この問いに対して、『HINOTORI』はライブ音楽と身体を通じて挑み、「境界を超える」という創作の起点を掲げ、未来と対話する橋(ブリッジ)を架けます。
小池博史が魅せる国際舞台
演出家の小池博史氏は、1982年から2012年まで活動した舞台芸術集団「パパ・タラフマラ」の創設者であり、現在は「小池博史ブリッジプロジェクト-ODYSSEY」を主宰しています。彼はこれまでに42カ国で98作品を創作し、国際的に高く評価されています。2023年にはポーランドの現代演劇賞「年間ベスト1」に選出され、近年ではNHK WORLDでも特集が組まれました。
小池氏が追求してきたのは、アートと社会、過去と未来、世界と日本を繋ぐ場としての舞台芸術です。彼の作品は、異なる文化や言語、ジャンルの交錯を通じて「人間とは何か」「未来はどこへ向かうのか」といった根源的な問いを投げかけます。
公演情報
【京都公演】
- - 日程:2025年9月13日(土)
- - 会場:ロームシアター京都サウスホール
- - 開演:12:00、17:00
- - チケット一般:4,500円(当日券は各席種+500円)
【東京公演】
- - 日程:2025年10月11日(土)〜14日(火)
- - 会場:なかのZERO大ホール
- - チケットセット券(山の神篇+海の神篇):S席17,000円、A席12,000円、B席8,000円、U-25(B席のみ)6,000円
チケット予約は7月21日から開始される予定です。多様な文化と音楽が織りなす一夜限りの舞台をお見逃しなく。詳細は公式サイトをご覧ください。