若者の消費行動を探る!ichikara Labが発表した「界隈消費」レポート
キヤノンマーケティングジャパンに属する企業内起業ichikara Labが、若者のマーケティングの新たな視点を提案しています。彼らは若者とともに「ワカモノスタディ」を進めており、最近では「界隈消費」に焦点を当てたディスカッション結果をまとめたレポートを公開しました。このレポートでは、特にZ世代の消費動向について詳しく掘り下げています。
「ワカモノスタディ」について
「ワカモノスタディ」は、若者のトレンドや価値観、購買行動を共に考えるプロジェクトです。彼らは現役大学生と議論を重ね、常に変化する若者文化の核心に迫ります。最近のディスカッションでは、「界隈消費」というテーマが取り上げられ、若者の消費行動の理解が深まりました。
界隈消費とは?
「界隈」とは、趣味や嗜好に基づくコミュニティを意味します。この界隈に属することが、消費行動にどのように影響するのかを探る調査が行われました。「界隈消費」は、特定の興味を持つ若者たちがどのように商品やサービスを選ぶかを理解するうえで不可欠な要素と位置づけられています。
ディスカッション結果のハイライト
大学生たちからは、実際の「界隈消費」エピソードが共有されました。例えば、Aさんは古着ショップで映画に登場するTシャツを見つけ、即座に高額にもかかわらず購入した経験を語りました。このように、界隈への情熱が購買を促す一因であることがわかります。
さらにBさんは、自身が憧れる存在からの影響で編み物を始めたとのことで、興味が消費行動にどのように結びつくかを示しています。また、CさんはSNSでの有名人の影響で特定の加工アプリを購買したことを挙げ、界隈消費の心理的要素を確認しました。
ichikara Labが提唱する新しい購買行動モデル「ISEACP」
ichikara Labは、「界隈消費」の購入行動を分析した結果、新たな購買行動モデル「ISEACP」を提案しました。このモデルは以下の6つのステップから成り立っています:
1.
Influence(影響・認知):SNSや口コミから興味を持つきっかけを得る。
2.
Search(情報収集):興味を持った商品について、自発的に情報を探しに行く。
3.
Empathy(共感):自分の条件と照らし合わせて、選択肢を絞る。
4.
Action(購入):様々なチャネルで比較検討しながら購入。
5.
Cherish(愛好):購入品を自分のものとして楽しむ。
6.
Propagation(進展・伝播):次の消費行動へとつながる。
調査の裏にあるインサイト
このモデルを導入することで、消費行動の裏にある心理が浮き彫りになりました。特に「共感」が重要であり、消費行動には感情的な側面が深く絡んでいることが示されました。若者たちは彼らの好きなものや興味を持つものに対しては積極的であり、消費を楽しむ傾向があります。
興味深い点は、消費行動には必ずしもマイナスの印象を持たれることはなく、特定の界隈により前向きな購買意欲が喚起されるということです。彼らは消費行動を通じて新しい発見やコミュニティへの帰属を感じているのです。
まとめ
ディスカッションに参加した学生たちの多くは、自身が無意識に「界隈消費」を行っていることに気づき、最終的にはそのような消費行動が彼らの生活の一部であることを認識しました。SNSの普及に伴い、情報の取得が容易になり、若者たちは気軽に新しい興味を追求することができる環境が整っています。
今後、「界隈消費」がどのように発展していくのか、ichikara Labの研究から目が離せません。若者たちの消費行動が進化する中で、マーケティング戦略も新たな視点で考慮される必要があるでしょう。これからの消費活動における課題や機会は、進化し続ける若者の価値観や行動に寄り添ったアプローチにかかっていると言えるでしょう。