シャンパーニュ・ボランジェ新作"PN TX20"に注目
シャンパーニュ・ボランジェが新たにリリースするプレステージ・シャンパーニュ"PN TX20"は、2023年8月1日から出荷開始される。この新作は、同メゾンの"PN"シリーズの第6作目にあたる。
"PN"シリーズについて
"PN"シリーズは、ピノ・ノワールの多彩なスタイルと造りをシャンパーニュとして具現化している。毎年、シャンパーニュ・ボランジェのブドウ畑や生産技術を駆使して、ブラン・ド・ノワールとして発表される。この"PN TX20"も、特別なブドウのセレクションを経て生まれた一品だ。
トーシエールの魅力
"PN TX20"を構成するブドウの一部は、モンターニュ・ド・ランスに位置するトーシエールの畑から。この場所は、豊かな陽の光と独特な土壌によって理想的なピノ・ノワールの栽培条件を提供している。これにより、ワインにはフレッシュ感とエレガンス、さらには複雑なアロマが加わる。さらに、アイ村やアヴネイのクリュからもピノ・ノワールが用いられ、爆発的な味わいを演出する。
特徴あるスタイル
このワインのベースには2020年のヴィンテージが用いられ、最も古いヴィンテージは2008年と2012年から選ばれた。びっくりするのは、これが初の試みであり、過去の歳月が育んだ深みある風味が楽しめる。たっぷりとしたアロマと相まって、シャンパーニュの魅力を最大限に引き出している。
味わいのテイスティング
テイスティングでは、フレッシュな柑橘の香りが鼻をくすぐり、後に白い核果や桃、カリンのアロマが織り交ぜられます。余韻はミネラルと火打石のニュアンスが絡み、力強い印象を与えます。初めはレッドカラントの清涼感を感じ、その後ふくよかな深みとともに、煮込まれた果実のデリケートなタッチが際立ちます。
美しい長い余韻にすべてが集約されており、一度口にすると忘れられないひと時が待っていることでしょう。
シャンパーニュ・ボランジェの歴史
1829年、ジャック・ボランジェによって創業されたこのメゾンは、今もなおその家族によって経営が続けられています。特に、Second World Warの際には、エリザベス・リリー・ボランジェがメゾンを守るために力を尽くしました。彼女の努力によって、メゾンは厳選されたブドウ畑を手に入れ、世界へその名を広めたのです。
1884年には、英国女王に認められたことから多くの著名人に愛される存在となり、映画『007』シリーズでは40年以上もパートナーシップを結んでいる。
このように、シャンパーニュ・ボランジェは伝統を大切にしながらも、革新を追求し続ける、その姿勢が世界中のワイン愛好家を魅了し続けているのである。
創業者の精神継承
さらに、"ボランジェ憲章"が発表された1992年以降は、倫理的かつ品質重視の生産工程を守りつつ、環境保全を考えた取り組みも進めている。これにより、持続可能なワインの生産にも貢献している。
シャンパーニュ・ボランジェの"PN TX20"は、ただの飲み物ではなく、同家の理念や歴史、その土地との深い繋がりを感じさせる特別な一杯となるだろう。