太陽光・蓄電池営業が直面する将来の危機感とその対策
国際航業株式会社が実施した最新調査によると、太陽光や蓄電池の営業担当者の91.7%が、2026年夏の電気代に関する「三重苦」に危機感を抱いていることが明らかになりました。この三重苦とは、燃料費の高騰、再生可能エネルギー賦課金の上昇、そして電気・ガス料金の激変緩和補助金の打ち切りを指します。コロナ禍を経て、エネルギー価格はますます不安定になっており、営業現場ではその影響をどう反映するかが大きな課題となっています。
調査概要と結果
本調査は、法人案件を手がける太陽光・蓄電池の販売企業に勤務する営業担当者108人を対象に、2026年夏への電気代ショックに備えた試算実態について行われました。調査結果によると、以下のような実態が明らかになりました。
1.
三重苦への危機感:
-「かなり感じている」が50.0%、「やや感じている」が41.7%で、ほぼ全員が何らかの形で危機感を持っています。
2.
営業活動への影響:
- 試算根拠が信用されなくなることが最も懸念されています(55.6%)。また、単一シナリオでは想定外の変動に対処できないという意見も多く見受けられました(48.5%)。
3.
シミュレーションの不十分さ:
- 実に28.7%の営業担当者が、自社のシミュレーションが三重苦の影響を反映できていないと回答しています。
不確実性への対応
営業担当者の71.3%が、顧客から不確実性を考慮した試算を求められた経験があるとしています。このことから、顧客は今後の電気代の見通しや、シナリオに基づく具体的な提案を強く求めていることが分かります。提案の数に関しては、2パターンを提示している企業が42.6%と最も多く、1パターンのみという企業も12%存在しました。
特に注目すべきは、77.7%の営業担当者が地政学リスクや政策変動を反映した「複数シナリオ機能」が必要と考えている点です。このニーズを受けて、シミュレーション環境の整備が喫緊の課題とされています。
営業現場の実情
営業担当者が望むシナリオの種類には、「再エネ賦課金が想定以上に上昇するシナリオ」が53.7%を占め、続いて「電気・ガス補助金が完全打切りされる」というシナリオが42.6%です。これらのシナリオは、今後の営業活動において顧客の意思決定を支援するためにも、正確な数値化が求められます。
営業担当者が現在のシミュレーションで直面している課題には、各リスクの数値化に使える業界標準や参考データが不足しているという回答が41.9%を占めており、情報収集の重要性が浮き彫りになっています。また、営業担当者自身の知識や、試算にかかる時間の確保も大きな課題です。
今後に向けての取り組み
今回の調査から、太陽光・蓄電池の営業担当者が抱える不安や期待が浮き彫りになりました。顧客から求められる複数のシナリオでの提案が、今後の競争優位性を生むキーになります。そのためには、今すぐにでもシミュレーションツールの強化や、営業チームの知識の向上に取り組む必要があります。
まとめ
営業担当者たちが直面する未来の不確実性にどれだけ迅速に対応できるかは、今後の事業展開に大きく影響します。企業における意思決定支援として、複数シナリオでの提案が持つ価値は増しており、営業戦略の見直しやシミュレーション環境の整備が急務と言えるでしょう。持続可能なエネルギー社会の実現に向けて、太陽光・蓄電池業界がどのように進化していくか、今後の動向が注目されます。