資源循環の新提案
2025-09-30 12:45:17

野菜未利用部と鶏糞活用による新たな資源循環の推進

野菜未利用部と鶏糞活用による資源循環の実現



キユーピー株式会社が、東京農業大学及びウエルクリエイトと共同で進めている研究は、今注目を集めています。この研究は、いわゆる「野菜未利用部」と鶏糞を併用した堆肥の効果を探るもので、サステナブルな農業への貢献が期待されています。

研究背景


日本では農業を支える化学肥料の多くが輸入に依存しており、そのため価格の変動に影響されやすい状況にあります。この困難な状況に加えて、食品ロスも大きな問題で、年間464万トンもの食品が廃棄されている現実があります。特に、事業活動から発生する食品ロスは、日本の社会における課題の一つとされ、これを有効に活用することが求められています。

キユーピーグループは、製造過程で発生する野菜未利用部を堆肥や飼料に活用する取り組みをスタートさせています。このような背景の中、今研究が進められているのです。

研究の目的


本研究の主な目的は、野菜未利用部と肥料成分が豊富な鶏糞を組み合わせた堆肥の肥料効果を検証することです。具体的には、パッケージサラダ工場で出る野菜未利用部を用いて、微生物発酵による堆肥化を行い、実際に植物に与える効果を評価しました。

結果概要


研究の結果、野菜鶏糞堆肥が化学肥料と同等の効果を示すことが確認されました。特にコマツナの栽培試験において、野菜鶏糞堆肥は化学肥料と同様の収量を記録し、リン酸肥効率も100%に達しました。これは、野菜未利用部から得られる資源を最大限に活用することで、化学肥料の使用を減少させる可能性を示唆しています。

鶏糞の有効利用


キユーピーグループは、年間約25万トンの鶏卵を取り扱う中で、鶏糞の有効利用も進めています。鶏卵の生産過程で生成される鶏糞の肥料への活用が進んでいますが、ニオイや処理コストなどさまざまな課題も抱えているのが現実です。この研究では、こうした鶏糞を肥料としての効果を最大限に引き出す方法を追求しているのです。

農業における未来展望


キユーピーグループは、2030年までに「野菜未利用部の有効活用率90%以上」という目標を掲げています。今後、野菜未利用部と鶏糞を組み合わせた資源循環の実現に向けた研究を継続し、持続可能な農業の実現を目指していく方針です。

サステナビリティを重視し、今後の研究成果がどのように実際の農業経営に影響を与えるのか、ますます注目されています。日本の農業に革命をもたらす新たな取り組みが、いま始まろうとしています。


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