日本ゼオンが持続可能な液体燃料の開発に出資
日本ゼオン株式会社は、カリフォルニア州に拠点を持つ子会社、Zeon Ventures Inc.を通して、シンガポールと米国に本拠を置くスタートアップAether Fuels Pte. Ltd.(以下、Aether社)に対して投資を行いました。これにより、ゼオンは持続可能な航空燃料(SAF)の分野での新たな事業機会を模索することを目指します。
投資の背景
Aether社は、コスト効率に優れた持続可能な液体燃料を製造するための独自技術『Aether Aurora™』を開発しています。この技術により、低コストで多様な廃棄炭素原料を効果的に利用し、高収率で質の高い液体炭化水素を生成できる仕組みが築かれています。このような技術は、航空業界や海運業界における持続可能な燃料の供給不足を解消するために重要です。
Aether Aurora™の特長
Aether Aurora™は、二酸化炭素や一酸化炭素、水素、メタンなどの原料を利用し、フィッシャー・トロプシュ法によって高品質の液体炭化水素を合成する技術のパッケージです。この手法を用いることで、従来の燃料製造プロセスに比べ、環境に優しい燃料を生産することが可能になります。これにより、ゼオンが持続可能な未来をづくりに貢献できる道が開かれました。
ゼオンの長期ビジョン
日本ゼオンは、中期経営計画「STAGE30」において、2030年度に新規事業売上高600億円を目指すと宣言しています。この計画の下で、医療・ライフサイエンス、CASE・MaaS、情報通信(5G/6G)、省エネルギーといった4つの重点分野において、スタートアップ企業への投資や支援を積極的に進めていく方針です。新素材の提供やそれに伴う用途開発を通じ、「持続可能な地球」と「安心で快適な人々のくらし」に貢献していくことを目指しています。
Aether社について
Aether社は、持続可能な液体燃料の製造技術を開発する企業で、シンガポールに本社を置いています。今後もグローバルな市場で持続可能な燃料の供給を拡大し、地球環境問題に向けた解決策を提供する企業として成長していくことが期待されています。
ゼオンの支えでAether社は成長を加速
ゼオンは、Aether社との協業を通じて、今後の持続可能な航空燃料市場におけるノウハウやリソースを共有し、この新たな市場においても共に成長していくことを目指しています。持続可能な社会への移行は急務であり、ゼオンの投資がその一助となることが期待されています。
今後のAether社の技術開発とゼオンの支援により、持続可能な液体燃料製造が一層加速することにより、私たちの未来がより良いものになることを願ってやみません。