伊藤桂司の個展「楽しくなってきた It’s Getting Fun!」
2025年10月25日から11月23日まで、渋谷のBLOCK HOUSEにて伊藤桂司の個展が開催されます。本展は、1980年代に伝説的な雑誌『JAM/HEAVEN』でデビューした伊藤氏が、これまでのキャリアを経て生み出す新たなペインティングシリーズを紹介するものです。
展覧会の概要
本展のタイトル「楽しくなってきた」は、伊藤が夢の中で受け取った言葉から名付けられており、まさに彼の芸術的な探求そのものを反映しています。彼の作品は、幻想的な夢の世界を描くとともに、日々の生活の断片をコラージュしています。特に象徴的な作品は、彼が訪れた山道や撮影した光景、集めたものからインスパイアされたもので形成されています。彼は、視覚芸術の冒険を通じて、自然と人工、現実と非現実を柔らかく撹拌させることを目的としています。
ペインティングシリーズの特徴
特に注目すべきは、彼の作品に見られる黄緑色の大地です。この色味は、CG映像の世界におけるグリーンバックを連想させますが、無機質な印象の中にも温かい感情が込められています。伊藤は、都市生活における緑への欲求や、閉塞感からの反動によってこのシリーズを生み出したと考えています。近年の流行病がもたらした影響は、彼にとって強いインスピレーションの源となっています。
アートの独自性
彼の作品には、奇妙な動植物や多様なキャラクターが描かれており、それぞれが元々別々の空間や時間に存在していたものです。このようなカオスの中で、彼は現実を再生し、私たちの視点を変えるような体験を提供します。伊藤のアートは、ウォーホルの大量生産や「スーパーフラット」とは異なるシニカルなアプローチを持ちながら、独自の視覚的な表現を探求し続けています。
伊藤の世界観とその形成
伊藤の世界観は、幼少期からの経験に深く根ざしています。「死後の世界について考えるとき、恐怖よりも興味が勝っていた」と彼は語ります。この考え方は、彼の作品にしばしば表れる「夜」や「宇宙」というイメージに通じています。また、今回は1990〜2000年代に制作されたペインティングやコラージュ作品、最近のアルバムジャケットに触発された「SOUNDLESS SLEEVE」も展示され、彼のアーティストとしての成長を示す貴重な機会となっています。
開催情報
- - 日程: 2025年10月25日(土)~11月23日(日)
- - 時間: 13:00~19:00(木~日)
- - オープニングレセプション: 10月25日(土)18:00~20:00
この機会に、是非伊藤桂司の幻想的なアートの世界を体験しにお越しください。 心の底から「楽しくなる」瞬間をお約束します。
詳細は、
island JAPAN公式サイトをご確認ください。
(この記事は鈴木沓子によります。)