森と都市を結ぶ『プレゼントツリー』が20周年を迎える
2025年1月30日、森林再生プロジェクト『プレゼントツリー』が20周年を迎えることとなりました。このプロジェクトは東京都千代田区に拠点を置く認定NPO法人環境リレーションズ研究所が運営し、持続可能な森林づくりと地域振興を同時に実現することを目的としています。
20周年記念イベントと植樹活動
20周年を祝う今年、全国6カ所での植樹イベントを開催します。また、7月には『森と都市(まち)との交流会20th『プレゼントツリーサミットinTOKYO』も予定されています。これにより、さらなる森づくりの輪が広がり、100年後には美しい日本の森を残せるように活動を推進していきます。
プレゼントツリー誕生の背景
プレゼントツリーは、2000年代初頭に始まったプロジェクトです。日本はかつて、製材や薪などによって里山を持続可能に利用してきましたが、近代化により森への関心が薄れ、荒れていく里山が増えてしまいました。特に戦後の大量伐採は日本の森に深刻な影響を与え、日本の木材自給率も過去最悪のレベルにまで下がりました。
このような状況を背景に、多くの人々の森への関心を引き戻し、自然を回復するために、プレゼントツリーは始まりました。都市部の人々が、自分や大切な人のために樹を植え、その後10年間育てるという取り組みです。プロジェクト名の「プレゼント」には、大切な人や地域の森、さらには地球全体への贈り物という意味が込められています。
プロジェクトの特徴
プレゼントツリーにはいくつかの特徴があります。まず、「植樹証明書」を発行し、樹を贈られた里親がその樹との関係を視覚化できます。また、植えた樹は10年にわたって保育管理が行われ、自立するまでのプロセスを見守ります。このような長期的な支援体制が、正にこのプロジェクトの強みです。
また、里親が実際に樹を植えた地域を訪れることで、さらなる地域振興を促進しています。過疎化が進む山村地域において、都市部との関係人口を創出することで、地域は元気を取り戻しています。プレゼントツリーは、単なる森の保護だけでなく、地域全体をサポートする役割も果たしています。
これまでの実績
プレゼントツリーは、過去20年間で全国56カ所、海外2カ所で森林再生に貢献してきました。約41万本の樹を植え、多くの関係人口を生み出しています。また、多くの個人や企業からも支援されており、誕生から数年経つ間にその輪は確実に広がってきています。このような取り組みが、都市部と農村部の良好な関係を築くきっかけとなっています。
20周年記念イベントの詳細
今年予定されている植樹イベントは、4月6日に神奈川県横須賀市、続いて4月12日・13日に熊本県山都町、そして5月11日には山梨県笛吹市で行われます。また、秋には北海道や宮城県、岐阜県でも植樹イベントを計画中です。
さらに、7月には20周年を祝う交流イベント「プレゼントツリーサミットinTOKYO」が開催され、関係者が集まり、未来に向けた意見交換や交流が行われる予定です。
目指す未来
私たちは、日本の森と地域の未来を守るために引き続き努力していきます。100年後の日本でも美しい森が存在し続けるよう、関心を持って支援してくださる方々とともに、森づくりを進めていきたいと考えています。2090年代にむけて、強い森林と地域を育てていく活動に、ぜひご参加を!