2025年クレジットカード顧客満足度調査の結果を分析
株式会社J.D. パワー ジャパンが発表した2025年クレジットカード顧客満足度調査。その結果から、顧客がクレジットカードを選ぶ際の重要な要素が明らかになりました。特に、「年会費」や「ポイントプログラム」が満足度に大きく影響を与えており、顧客のコスト意識の高まりが反映されています。加えて、セキュリティの重要性も無視できないポイントです。
顧客満足度に影響を与える要素
調査では、顧客満足度に影響を与える要素として以下のファクターが挙げられています。
- - クレジット機能
- - ポイントプログラム
- - 会員向けサービス/特典
- - 手続き・サポート
- - 年会費
特に、「年会費」の影響度が上昇しています。年会費が2万円以上のクレジットカードでは、「ポイントプログラム」が6ポイントも影響度を上げていることが確認されました。また、1万円未満部門でも年会費の影響が増加しており、顧客の費用対効果に対する意識の高まりが如実に表れています。これは、特にコストパフォーマンスを重視する傾向が強まっている顧客のニーズを反映した結果と言えるでしょう。
セキュリティ対策と顧客の意識
調査結果から、顧客のセキュリティに対する意識が高まっていることも明らかになりました。これまで、セキュリティ対策はクレジット機能ファクターの中で影響度が小さい項目に過ぎなかったのですが、今回はすべての部門で最も影響度が大きいファクターに位置付けられました。これは、不正利用の被害の増加により、顧客がセキュリティに強い関心を持つようになったためと考えられます。
しかし、カード会社からのセキュリティ情報の発信については、約80%の顧客がその存在を認識しているものの、「見聞きしたことがある」と具体的に答えたのはわずか20%に過ぎません。この現状は、カード会社が情報発信の改善が必要であることを示しています。顧客のセキュリティ意識の強化に伴い、カード会社はその重要性を理解し、情報を効果的に伝えなければなりません。
サービスの多様化と新たな戦略
さらに、クレジットカード業界は年会費に応じたサービスの多様化が進んでいます。高額な年会費のカードでは、サービスの充実を図る動きが見られる一方で、同じ年会費の範囲でもサービス自体を減少させるケースもあります。特定の条件を満たすことによる年会費の無料化や、無条件で年会費を撤廃する動きも見受けられます。
これらの変化に対応するため、調査では新たに4つの部門に分け、年会費によるサービス内容の違いを明確に示しています。その結果も踏まえた総合満足度ランキングが公表され、各ブランドの主なカードがランクインしました。
2025年顧客満足度ランキング
年会費に応じた各ブランドのランキングは、以下のようになっています。
年会費2万円以上部門
1. エポスカード、三井住友カード(685ポイント)
2. アメリカン・エキスプレス(681ポイント)
年会費1万円~2万円未満部門
1. PayPayカード(672ポイント)
2. 楽天カード(671ポイント)
3. JCBカード(664ポイント)
年会費1万円未満部門
1. エポスカード(690ポイント)
2. 楽天カード(667ポイント)
3. 三井住友カード(661ポイント)
年会費無料部門
1. 三井住友カード(664ポイント)
2. 楽天カード(663ポイント)
3. PayPayカード(650ポイント)
結論
この調査から見えるのは、クレジットカードの選択において年会費や提供サービスに対する顧客の意識が高まっていることです。同時に、セキュリティ対策の重要性も増しており、顧客満足度向上のためにはカード会社側での情報発信やサービス改善が不可欠です。今後もこの傾向を注視し、より良いクレジットカード選びに役立てていきたいものです。