2026年、日本のロボティクス産業における新たな潮流と未来展望
新年明けましておめでとうございます。QNX Japanのカントリーセールスディレクター、アガルワル・サッチンです。2026年を迎えるにあたり、日本のロボティクス産業は大きな転換点に差し掛かっています。これまで強みとされてきた産業用ロボットが世界をリードする一方で、サービスロボットやモバイルロボティクスといった新しい領域では、設計やソフトウェアの在り方、社会実装の方法が問われ始めています。
ロボティクス市場の成長
2025年には、世界のロボティクス市場が736億ドルに達し、2030年までには1,853億ドルに成長すると予測されています。日本市場も依然として、産業用ロボット分野において順調な成長を見せており、日本ロボット工業会のデータによると、2025年の上半期では前年同期比で27.9%増加した約4,325億円の受注額を記録しました。特にアジア向けの輸出が43.6%増となり、大きな成長が見込まれています。
サービスロボット市場の挑戦
一方で、サービスロボット市場では、日本がアメリカや欧州、中国に比べて遅れているとの指摘があります。日本の経済産業省は2024年度補正予算において、ロボティクス向けのオープンなソフトウェア開発基盤構築に103億円を計上し、AIロボット協会(AIRoA)の設立も進めています。
また、QNXが実施した調査では、日本特有の課題が明らかになりました。ロボットを職場で重要な存在として信頼している割合は、世界の平均77%に対し、日本では63%にとどまっています。この傾向は、特に医療や物流業界、中小企業で顕著であり、安全性や信頼性への懸念が障壁となっているのが現状です。
2026年のロボティクス業界に期待される変化
2026年には、ロボティクス業界に多くの期待が寄せられています。特に、ロボットが人々と同じ空間で動作することが求められるようになり、予測不能な環境への導入が進むでしょう。だけでなく、安全性が設計の中核をなす必要があり、静的な安全性から動的、ソフトウェア主導の安全性へと進化しています。
以下は、2026年のロボティクスにおける特徴的な変化です:
1.
予測不能な環境への進出
ロボットが動作する環境が予測不能になる中で、機械的な精度までにとどまらず、認識や知能、適応力が求められます。
2.
安全が設計の核
誰もが使用できることが求められるロボットには、安全性が設計に組み込まれ、その基準が高まります。
3.
セキュリティと安全の統合
デジタルリスクと物理リスクが融和し、セキュリティが安全性に直結する現実が浮き彫りとなります。
また、コネクテッドロボットとしての進展も無視できません。従来のモバイルロボティクスから、自律性や情報共有が一層深まることが期待されます。ソフトウェア定義型ロボティクスの進化も見逃せないポイントで、各メーカーはハードウェア主導の開発から、ソフトウェア中心の事業モデルへとシフトしていくことが求められます。
QNXのこれからの取り組み
QNXでは、特に安全性とセキュリティに重点を置いた基盤ソフトウェアの開発を進めています。2026年に向けて、以下の施策を推進します:
- - QNX General Embedded Development Platform(GEDP)の機能強化
高精度なロボティクスシステムが、厳格な安全性とセキュリティの要求を満たしつつ迅速に市場投入できるよう、体制を強化します。
日本市場における共同開発を促進し、先進的なロボティクスの採用を加速します。
次世代の組み込みロボティクス開発者を育成するための教育プログラムを推進します。
2026年のロボティクス業界がどう進展するのか、今後も目が離せません。QNXは、この急速な変化の中で、地域市場における課題解決を目指し、日々進化を続けます。