大阪大学附属図書館が顔認証技術を全面導入
大阪大学の附属図書館全4館が、国立大学として初めて顔認証システムを導入します。この新しい技術によって、学生や教職員約3万人がより快適な図書館利用を実現できるようになります。顔認証による入館ゲートと自動貸出返却装置が設置され、2025年5月から運用が開始される予定です。
画期的な技術導入の背景
大阪大学では、毎年95万人以上が図書館を利用しており、年間の貸出図書は33万冊に達していますが、従来は磁気付きの学生証を利用した方式が主流でした。しかし、教職員は別途利用者票が必要で、これが管理業務の負担となっていました。この問題を解決するために、顔認証技術が導入されるのです。
顔認証システムの具体的な導入内容
今回の取り組みでは、紀伊國屋書店とパナソニック コネクトが共同で技術を提供し、全4館に7台の入館ゲートと6台の自動貸出返却装置が設置されます。さらに、2025年1月に開始されたデジタル学生証や教職員証に対応するQRリーダーも併設され、利用者の多様なニーズに幅広く応えられるようになります。
OUIDシステムとの連携
大阪大学は2024年に、在籍中の学生や教職員のために生涯利用可能なID基盤「OUIDシステム」を構築しました。これにより、顔認証技術はOUIDと連携し、参加者の顔写真や属性情報をもとにアクセスが管理されます。このシステムにより、学生証や図書館カードを取り出さずに入館や貸出ができるため、利便性が大幅に向上します。
図書館利用者の利便性向上
顔認証システムの導入により、図書館では利用者票の発行や管理業務の手間を削減。これにより、職員は新たなサービス展開や学術論文のオープンアクセスなどにリソースを振り向けることが可能になります。結果として、図書館のデジタル変革(DX)が実現され、学術環境の質がさらに向上するでしょう。
今後の展開
大阪大学では、OUIDシステムを基にしたデジタル学生証・教職員証の機能拡充が進められています。今後、入館管理だけでなく、授業や会議の出欠管理など、さまざまな場面での活用が期待されています。顔認証技術を最大限に活かし、未来の図書館環境を構築することが大阪大学の目指す姿です。
まとめ
大阪大学の附属図書館での顔認証技術導入は、単なる利便性の向上を超えて、教育と研究を支える新たな基盤を形成します。これにより、効率的かつ安全な図書館利用が促進され、将来的には他の大学図書館でも同様の取り組みが広がることが期待されます。