不動産業界の電子契約利用率が向上中：いえらぶGROUPの調査結果

不動産業界における電子契約の利用状況

近年、不動産業界における電子契約の利用が高まりを見せています。株式会社いえらぶGROUPが実施した調査によると、電子契約を導入している不動産会社の割合は58.9%に達し、特に賃貸仲介業では80%という高水準を誇ります。これに対し、エンドユーザーの利用も増加しており、20代以下の人たちの利用率は前年と比較して14.2%上昇し、今後の拡大が期待されています。

調査の背景と目的

2022年に不動産取引における電子契約が解禁されてから、3年が経過しました。この改正により、従来は紙媒体での契約書や重要事項説明書が必要でしたが、電子化が認められるようになりました。これにより、ペーパーレス化が進み、業務効率の向上といったメリットが享受されています。今回の調査は、この電子契約がどのように不動産業界での利用に影響を与えているのかを明らかにすることが目的でした。

調査結果の概要

1. 不動産会社における電子契約の導入状況

調査の結果、電子契約を利用している不動産会社は58.9%、それに対し41.1%が未導入でした。特に賃貸仲介業では高い利用率を示しており、賃貸管理業では63.5%、売買仲介業では29.2%と、業態によって明らかな差が見られました。これらの数値からも、電子契約が不動産業界において徐々に普及していることが分かります。

2. エンドユーザーの利用状況

エンドユーザーに対しても利用状況を尋ねたところ、24.8%が電子契約を利用したことがあると回答しました。特に若い世代の利用率が上昇しており、中高年層でも徐々に利用が広がりつつあります。これにより、今後さらなるエンドユーザーの電子契約利用が見込まれています。

3. 今後の利用予定

不動産会社に対して「今後電子契約を利用したいか？」と質問したところ、61.2%が「利用したい」と回答し、業務効率の向上や郵送業務の手間の削減が多くの不動産会社にとって重要なポイントとなっていることが分かりました。一方、電子契約を利用しない理由に関しては「書面での契約に特に不便を感じていない」との回答が最も多く、トラブルへの懸念も影響しています。

いえらぶGROUPの取り組み

いえらぶGROUPの常務取締役、庭山健一さんは、業務効率化の必要性が高まる中で、電子契約の導入が進むことへの期待を寄せています。しかし、体制の整備や運用面での課題に対する不安もあると指摘しています。いえらぶGROUPでは、賃貸借契約だけでなく、売買契約や媒介契約に対応した電子契約サービス「いえらぶサイン」を提供しており、今後も業界のニーズに迅速に対応していく方針です。