室津の新しい漁業
2025-05-29 11:09:14

山口県室津に誕生したサステナブル漁業プロジェクトの概要と意義

新たな漁業モデル、持続可能性を目指す室津プロジェクト



2025年5月20日、山口県室津において、「山口県室津定置サステナブル漁業プロジェクト」が発足しました。このプロジェクトは、株式会社UMITO Partnersと山口県漁業協同組合室津支店定置網部会が協力し、小型定置網漁業における自主的資源管理と藻場の保全を通じて持続可能な漁業の実現を目指します。

プロジェクト発足の背景



室津地区は、瀬戸内海に面した好漁場であり、天然の資源が豊富だった一方、近年の漁業環境は厳しさを増しています。海洋環境の変化や藻場の衰退が水産資源に影響を与え、漁業者の高齢化や後継者不足も進行しています。例えば、室津地区では正組合員数が過去10年で48名から25名に減少しました。2024年には定置網漁業が再開される予定ですが、漁業者は15名から6名に減少してしまう見込みです。この状況から、プロジェクトの発足には強い危機感が寄せられていました。

プロジェクト内容



このプロジェクトでは、小型定置網漁業において以下の活動を展開します:
1. 自主的に決定した放流サイズを設定し、小さな魚を獲らない管理の実施
2. 漁業者自身が漁獲データを収集
3. 県と連携し、海洋資源の評価を行う
4. 資源評価に基づく継続的な管理の見直し
5. 植食魚の漁獲を通じて、アマモの食害を抑制
6. ブランド化を目指し、魚価の向上と販路拡大を図る

さらに、地域のイベントとして、道の駅「上関海峡」では親子を対象にした放流体験や新鮮な魚の販売イベントを定期的に開催予定です。次回は2025年6月7日に行われる予定です。

持続可能な漁業の実現に向けて



プロジェクトの大きな特徴は、『漁業者による自主的な資源管理』と『藻場保全の取り組み』の一体的な推進です。漁業者が自らデータを収集し、科学的評価に基づく資源管理を行う体制は、本来の漁業のあり方に戻す試みとも言えるでしょう。

これには、浜の仲間意識や協力体制が不可欠です。討論を重ねることで資源の持続性と生態系の健全性が再認識され、活気を取り戻すことが期待されています。

今後の展望



今後、定置網部会は環境回復型漁業の実現に向けた活動計画を実行し、ブランディングを通じた魚価向上に努めるとしています。UMITO Partnersは、室津で獲れた魚を「UMITO SEAFOOD」として都内の取扱店舗に繋げることで持続可能な漁業を実現し、新たな収益モデルの構築を支援する考えです。

また、漁業者を支援するコミュニティ「UMITOBA」を通じて、全国の漁業界に先行事例を広め、持続可能な漁業モデルを普及させることを目指しています。

終わりに



UMITO Partnersの代表である村上春二氏は、漁業者が抱える海の危機を理解し、科学やビジネスを活用して海の豊かさを守ることの重要性を語りました。一方で、室津の漁業部会代表である小濱一也氏は、仲間と共に海を守る重要性を強調し、活気を取り戻すために努力を続けることの必要性を訴えています。今後のプロジェクトの進展に期待が寄せられています。


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