ローカル5Gの実証実験でサーキットの未来を見据える
近年、ローカル5G技術は様々な分野で注目されていますが、特にモータースポーツの分野においてもその効果を発揮し始めています。ハイテクインター株式会社(東京都渋谷区)は、株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)および他のパートナーと共に、2025年1月30日から31日にかけて行われたサーキットにおけるローカル5G活用の実証実験を成功裏に終えました。
実証実験の概要
この実証実験は、日本レースプロモーションが主催するレースイベントの一環として行われ、ハイテクインターのローカル5Gプラットフォームが提供されました。目的は、高速移動するテスト車両からのオンボード映像やテレメトリー情報をリアルタイムで伝送することです。
実験の結果、サーキット内での低遅延伝送が実現し、具体的には、時速200kmで走行するテスト車両からの映像を遅滞なく受信することができました。また、非常に重要な点として、ハンドオーバー中でも150kmで走行するテスト車両からの映像・データが途切れることなく伝送されました。これは、サーキット特有の地形に最適化されたローカル5Gネットワークのおかげです。
各社の役割と協力
本実証実験には、以下の企業がそれぞれの分野で役割を果たしました:
- - IIJ: ローカル5Gネットワークに関する技術的支援を提供。
- - IIJエンジニアリング: プロジェクトのマネジメント及びネットワークの設計と構築。
- - ハイテクインター: ローカル5Gに必要な機材一式を提供。
- - M-TEC: テスト車両「CIVIC TYPE R (FL5) MUGEN Group.A」の提供及び伝送端末の開発。
- - 日本サーキット: 伝送端末の開発。
- - モータースポーツ無線協会: 無線局免許の取得と技術協力。
- - 日本レースプロモーション: 実証サーキットやテスト車両のドライバーを提供。
このように、多くの専門企業が緊密に連携し、実証に臨みました。
提供したローカル5Gプラットフォーム
ハイテクインターが提供したローカル5Gプロジェクトには、以下の特徴があります:
- - 可搬型ラック上のローカル5Gプラットフォーム
- - インターネットに依存しない完全オンプレミスのシステム
- - オープンRAN準拠の高速ハンドオーバーを実現
- - サーキットに適した屋外基地局とセクターアンテナの使用
これにより短期間でのシステム構築を可能にしました。
今後の展望
今回の実証実験は、国内で初めて、時速150km以上での高速ハンドオーバーが成功した事例となります。ハイテクインターはこの実績をもとに、さらなる研究開発を進め、より革新的なローカル5G技術を提供することで、顧客のニーズに応じた解決策を模索していく考えです。ローカル5G技術の進化が今後の社会や産業にどのような影響を与えるのか、非常に楽しみです。