災害時の洗濯衛生を支える「オーシャンループシステム」
災害が発生した際、私たちの生活の中で最も見落とされがちな要素のひとつが「衣類の衛生」です。特に、洗濯ができない状況では、衣類が菌の温床となり、衛生環境を悪化させます。そんな中、ファミリーレンタリース株式会社が新たな水循環型洗濯システム「オーシャンループシステム(OLS)」を開発しました。このシステムは、過去の災害支援の経験を基に、家庭や避難所での洗濯環境を整えることを目的としています。
洗濯ボランティアの経験から生まれた新技術
2024年1月に発生した能登半島地震において、ファミリーレンタリースは洗濯ボランティアとして現地支援を実施しました。この現場では以下のような問題が浮上しました。
- - 水インフラが停まることで、洗濯に必要な水が得られない
- - 近隣のコインランドリーが稼働できなくなり、被災者は遠くの洗濯場に向かう必要があった
- - 衣類が洗えず、衛生状態が悪化していた
これらの課題を受けて、特に衣類の衛生問題に注目しました。洗濯ができないことが、被災者の生活に如何に大きな影響を及ぼすかを痛感し、災害時にも使える洗濯システムの必要性が明らかになりました。
水循環型洗濯の仕組み
オーシャンループシステムは、洗濯水を効率的に循環させる仕組みとなっています。基本的なフローは次の通りです。
1. 洗濯水の給水
2. 洗濯作業
3. 洗濯排水の物理ろ過
4. オゾン処理による殺菌
5. 再利用
このプロセスでは、洗濯水を何度も再利用することで水資源の消費を大幅に削減し、環境にも優しいシステムを実現しました。また、給水は移動可能な給水車を利用することができ、どこででも運用可能です。
災害時の導入モデル
平常時には高齢者や周辺住民のためのコインランドリーとして機能する一方、災害が発生した際には指定避難所に設置して無料で洗濯サービスを提供します。この仕組みにより、避難生活の質が大幅に向上するとともに、衣類の衛生環境も確保されることになります。
今後の取り組み
ファミリーレンタリースは今後、自治体との実証実験を行い、衛生インフラとしての導入を推進していく方針です。また、官民連携での災害協定の締結を進め、より多くの避難者を支援するための体制を整えていきます。
ファミリーレンタリースの代表取締役、鈴木國夫氏は、「清潔な衣類を持つことは、衛生環境の維持や感染症対策に繋がります。災害時に洗濯ができることの重要性を実感しました。」と述べています。こうした取り組みを通じて、災害時における洗濯の重要性を広め、新たな社会基盤の構築を目指しています。