ローカル5G活用が進むSUPER FORMULAの新たな挑戦

全日本スーパーフォーミュラ選手権 (SUPER FORMULA)が、あらたにローカル5Gを利用した実証実験を実施しました。この実験は、株式会社日本レースプロモーション(JRP)、株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)、株式会社IIJエンジニアリング(IIJ-EG)、ハイテクインター株式会社、株式会社M-TEC、株式会社日本サーキット、モータースポーツ無線協会(MoSRA)との共同で行われました。

実証実験の概要

今回の実験では、SUPER FORMULAが開催されるサーキットに独自に構築したローカル5Gネットワークを使用し、高速移動するテスト車両からのオンボード映像やテレメトリー情報を伝送しました。テスト車両は最高時速200kmで走行しながら、その映像データをリアルタイムでサーキット内に送信し、低遅延での伝送が実現できることを確認しています。また、ハンドオーバーが発生する場面でも、140kmでの走行時においても伝送が途切れることはありませんでした。

ネットワークの必要性

一般的に、SUPER FORMULAが開催される多くのサーキットは人口密度が低い郊外に位置しています。レース当日には、数万の観客が訪れ、モバイルキャリアの基地局への負荷が増加します。これにより、ネットワークが混雑し、一時的に接続が難しくなることがあります。また、一部のサーキットでは、モバイルキャリアの信号が不十分なエリアも存在し、このような環境においてはローカル5Gの活用が必要とされていました。

技術的な取り組み

IIJグループは、2022年より各社と連携し、この分野において数々の実証実験を続けています。導入コストや専門的な電波エリア設計、レーシングカー特有の難しい環境に耐えられる伝送端末の開発など、さまざまな課題を克服することで、今回の成果を得ることができました。その結果、サーキットの特性に応じたローカル5Gネットワークの構築に向けたノウハウも蓄積されました。

今後の展開

今後は、SUPER FORMULAが開催される他のサーキットでも、安定した伝送経路を確保できるローカル5Gネットワークの構築に挑む予定です。JRPとIIJグループは、モータースポーツの開催や観戦体験を向上させるために、さらに研究と実験を続けていく方針を明らかにしています。レースファンにとって、今後のさらなる進化が期待される瞬間です。