トレーダムが新興国通貨に対応
トレーダム株式会社(以下、トレーダム)は、AIによる為替リスク管理システム『トレーダム為替ソリューション』に新しく4つの通貨ペアを追加しました。この新しい通貨ペアは、台湾ドル円、フィリピンペソ円、メキシコペソ円、そしてブラジルレアル円です。これにより、同社のシステムでは合計18通貨ペアでの取引が可能となります。
開発背景
最近では、アジアや中南米との貿易を行う企業が増加し、それに伴い「メジャー通貨以外の為替リスクを管理する必要性」が高まっています。特に新興国通貨は、その変動幅が大きいため、以前は感覚に頼って行われていた為替ヘッジ取引に対して、より定量的で戦略的なアプローチが求められています。
実際に、これらの国との貿易額は着実に増加しており、例えば台湾向けの輸出は2018年の約4.7兆円から2022年には約6.9兆円と、ほぼ47%も増加しました。フィリピンやメキシコの輸出額もそれぞれ約28%や12%増加を見せており、コロナ禍を経て日本からの輸出は着実に回復しています。ブラジルに関しても、約1.8倍に回復しています。
これに加え、輸入額においても中長期的な増加傾向が見られ、台湾やブラジルからの輸入は特に目立っています。2020年にはコロナ影響で減少したものの、その後は回復傾向が続いており、日本企業にとって新興国との取引拡大が進む中で、為替リスク管理が重要になっています。
今後の展望
新興国通貨は、金利差や地政学的リスクなどの多くの要因によって急激に変動します。そのため、為替リスクの予測と管理は特に難易度が高い領域です。しかし、最近の貿易額の拡大に伴い、これらの通貨でのヘッジニーズも高まっています。トレーダムは、実際の取引状況に基づく通貨対応の拡充を目指し、個々の通貨特性に応じた実践的な為替リスク管理ソリューションを提供する計画です。
トレーダム株式会社について
トレーダムは、グローバルビジネスにおける為替リスク管理をテーマに、AIを駆使した新しいソリューションを提供するフィンテック企業です。伝統的な金融工学に基づく金融商品と先進的な数理モデル、さらにはデータサイエンスを融合させた仕組みを通じて、企業の成長に寄与しています。トレーダムの本社は東京都千代田区に位置し、2015年に設立されました。現在、さらに多くの企業が国際的な市場で挑戦する中で、トレーダムのサービスはますます重要となっています。
企業の成長を支援する為替リスク管理の進展が期待されるトレーダムの動きを今後も注目していきましょう。