ストレスと体重の関係を探る
株式会社ドクタートラストが実施した大規模な調査により、ストレスと体重変化の関連性が明らかになりました。今回は、その調査結果をもとに心身の健康を保つための知識を共有します。
調査の背景
ドクタートラストは、ストレスチェックサービスを通じて264万人以上の受検者のデータを収集しています。その中でも2023年度に、1年間の体重変化を回答した128,896人のデータを分析し、ストレスレベルとの関係を調査しました。ストレスチェック制度は2015年に制定され、従業員のメンタルヘルスの向上を目指しています。
調査結果の要点
調査の結果、1年間で体重が5kg以上増えた受検者のうち、4人に1人以上が高ストレスと判定されています。また、体重の変化は疲労感や不安感、さらには睡眠時間とも密接に関係していることが示されました。特に、平均睡眠時間が「5時間未満」の割合が最も高いのは、体重が「かなり増えた」と応えたグループでした。
体重変化の具体的なデータ
1年間の体重変化に関する回答としては、以下のような内訳が見られました:
- - 「変わらない(2kg未満)」: 55.2%
- - 「やや増えた(2kg以上3kg未満)」: 17.8%
- - 「減った」: 14.6%
- - 「増えた(3kg以上5kg未満)」: 8.2%
- - 「かなり増えた(5kg以上)」: 4.2%
これらのデータを基に、高ストレス者率と低ストレス者率を分析したところ、体重が「かなり増えた」グループにおいては26.8%が高ストレスとされています。逆に、体重が「変わらない」グループでは低ストレス者率が26.4%と、ストレスレベルが明確に異なる結果となりました。
ストレス指標と体重変化の相関
高ストレスを示した「かなり増えた」グループの人々が共通して抱えているのは、身体的・精神的な疲労感や不安感です。さらに、「だるい」「よく眠れない」などのストレスチェック設問での回答において、明確な差が見られました。これらの問題は心の健康を守る上でも重要です。
睡眠不足と体重増加
さらに、この調査では体重変化ごとの睡眠時間も分析。特に体重が「かなり増えた」とするグループの平均睡眠時間は5時間未満であり、他のグループと比較しても顕著な違いがありました。睡眠不足はストレスを助長し、結果的に体重にも影響を与えることが分かります。
生活習慣の見直しが健康のカギ
以上の調査結果から分かるように、ストレスと体重は密接に関連しています。ストレスを軽減するためには、生活習慣を見直すことが大切です。例えば、規則正しい生活リズムを確立し、適度な運動や十分な睡眠を確保することが、心身の健康を保つための第一歩となります。
さいごに
ストレスチェックの結果をもとに、自分自身を見つめ直すことが必要です。ストレスと体重の関係を理解し、健康な生活を送るための施策を実施することで、心の健康だけでなく、身体の健康も守ることができるでしょう。自分自身の健康を大切にすることは、社会全体の健康にもつながります。