自動車初期品質調査2025年の結果
2025年の日本自動車初期品質調査(IQS)結果が、公表されました。この調査は、新車購入者を対象に、自動車の初期品質に関する不具合経験を分析するもので、今年で15回目の実施となります。調査の実施には、様々な自動車メーカーの新車を所有するユーザーからのフィードバックをもとにしています。
総合不具合指摘数の動向
本年の調査によると、総合不具合指摘数は150PP100から140PP100に減少し、4年ぶりに改善が見られました。しかし、依然として不具合の原因を探ると、車両の設計に関する「分かりにくい/使いにくい」といった指摘が目立ち、特にこの点は今後の大きな課題として残っています。
具体的な不具合指摘の内訳
見ていくと、「分かりにくい/使いにくい」という課題が特に大きく、この指摘は108.5PP100で前年比マイナス9.3ポイントにとどまりました。一方、製造品質に関連する「壊れている/作動しない」といった指摘は29.0PP100(前年比マイナス2.8ポイント)に改善が見られます。
インフォテインメントの状況
調査対象となった9カテゴリーの中で、最も不具合指摘が多かったのが「インフォテインメント」であり、28.7PP100の指摘がありました。前年よりは2.5ポイントの減少が見られるものの、未だ重要な課題です。ブランドごとの差は相変わらず大きく、最も少ないブランドで18.6PP100、最多のブランドでは65.2PP100といった結果となっており、格差は縮小傾向にありますが、その改善は留まるところを知りません。
日常的な装備に対する不満
最も多くの指摘を受けたのは「カップホルダー」、「シート地に傷/汚れがつきやすい」、「ボンネットのレバー」など、日常生活に密接に関わる部分に関するものです。中でもカップホルダーは、「使いにくい」という意見が4.1PP100と目立ち、特にその場所や形状の制約が指摘されています。こうした日常の些細な不便さが質の向上に影響することが考えられています。
ブランドとセグメントのアワード
2025年の結果に基づき、各ブランドとセグメントのアワードも発表されました。軽セダン部門ではスズキのアルト、軽ハイトワゴン部門ではホンダのN-WGN、ミニバン部門ではトヨタのヴォクシーがそれぞれアワードを受賞しました。特筆すべきは、ダイハツがブランド総合でアワードを獲得した点です。
まとめ
2025年の調査結果からは、全般的な不具合指摘数は減少傾向ながらも、車両の使い勝手に関しては改善の余地が残されていることが浮き彫りとなりました。ユーザーが日常で体験する小さな不便を着実に解消することが、今後の自動車業界の品質改善にとって重要なカギとなるでしょう。J.D. パワーの調査結果は、自動車メーカーにとって今後の改善に向けた貴重な指針となるはずです。