テラヘルツの革命
2025-08-27 12:21:38

旭化成が電気学会論文賞を受賞!テラヘルツ分光技術がもたらす新たな可能性

旭化成、テラヘルツ分光による新たなポリエチレン測定法



旭化成株式会社が開発した「テラヘルツ分光によるポリエチレンの分子量推定法」が、一般社団法人 電気学会の令和7年基礎・材料・共通部門で論文賞を受賞しました。この受賞は、同社が長年にわたり取り組んできたポリエチレンの測定技術の進化が評価された結果です。以下では、その成果や今後の展望について詳しく解説します。

背景と課題



ポリエチレンは、多くの製品、特に食品包装材、医療器具、日用品に広く用いられています。その重要な特性の一つが分子量であり、これは製品の性能に大きく影響します。したがって、製造現場での分子量の精密な測定は、品質管理や製品開発において不可欠です。

従来の測定法は、サンプルを溶剤に溶かす必要があり、数時間かけて行う必要がありました。この手順は製造現場に負担をかけ、効率的とは言えませんでした。旭化成でも、このような課題を解決するために、より迅速で手軽な測定法の開発に取り組んでいました。

研究成果の概要



今回の研究で開発された技術は、特殊な電磁波であるテラヘルツ波を利用した新しい測定法です。テラヘルツ波をポリエチレンに照射し、反射や透過の度合いを測定することで、分子量による吸収の違いを捉えます。この方法では、サンプルに触れることなく、なんとわずか1分ほどでポリエチレンの分子量を推定できるのです。

この新技術の最大の特徴は、従来の手法に比べて測定の簡便さと迅速さです。その結果、研究開発の迅速化はもちろん、製造現場における品質管理にも寄与することが期待されています。このような成果が、電気学会から高く評価され、論文賞を受賞するに至りました。

今後の展望



旭化成は、今後この技術の実用化を進め、ポリエチレンをはじめとするさまざまな樹脂製品の効率的な開発を目指します。また、生産現場における品質管理技術を高度化し、より高機能で高品質な製品を社会に提供することで、企業としての責任を果たしていきます。

電気学会論文賞について



電気学会は100年以上の歴史を持つ伝統ある学術法人であり、電気や電子、情報、エネルギー技術に関連する研究成果の発信や表彰を行っています。論文賞は特に優れた学術的および技術的価値を持つ研究に贈られるもので、旭化成の受賞はその栄誉を受けた証です。

受賞講演の詳細



本研究成果に関する受賞講演は、2025年9月4日(木)に芝浦工業大学の豊洲キャンパスにて行われます。講演者は旭化成株式会社 生産技術本部の北村文乃氏が務めます。関心のある方はぜひ、参加をご検討ください。

詳細URL

この技術がもたらす未来の可能性に期待が高まります。


画像1

画像2

画像3

関連リンク

サードペディア百科事典: 旭化成 テラヘルツ 電気学会

トピックス(その他)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。