2025年上期の中古車市場動向分析
2025年の上半期における中古車市場は、興味深い特徴を示しています。株式会社ファブリカホールディングスが運営する「車選びドットコム」による最新の統計レポートに基づき、これらの動向を詳しく見ていきましょう。
 中古車登録台数の増加
2025年9月の統計によると、8月と比べて新車登録台数は142.2%、中古車登録台数は118.5%と、両者ともに増加傾向を示しました。特に新車の登録が8月から9月にかけての時期に増加するのは例年の傾向です。一方、前年同月と比較すると、新車登録台数は97.6%ですが、中古車は106.7%と、中古車の需要が高まっています。この背景には、前年の新車不足による中古車流通の減少が影響しており、あくまで去年の反動が影響しているようです。
 供給と需給のバランス
次に、読み解くべきは市場の需給バランスです。中古車市場では流通量が増えているものの、高年式や人気車種に集中しているため、一般的な価格帯の車両が供給不足となっています。この状況は新型コロナウイルスの影響で供給が減少した影響が続いているため、結果として中古車相場は高値の維持が続いています。特に中小規模の販売店にとっては在庫の確保が難しい状況が続いているようです。
 オークション市場の変化
さらに興味深い点として、中古車オークション市場では出品台数が前年同期比で15.9%増加し、過去最多の数を記録しました。これはデジタル化の進展による効率化が要因とされ、利便性の高まりが好材料とされています。しかしながら、人気車輌や高年式車に対する需要が集中しており、競争が激化しているため、成約率は前年を下回っているというのも一つの課題です。
 人気車種のトレンド
「車選びドットコム」の調査によると、2025年9月の国産中古車販売ランキングでは、トヨタのプリウスが依然としてトップに君臨しており、軽自動車も変わらず人気を維持しています。また、商用車としての需要も見られ、スズキのエブリイのランキング上昇が顕著です。このように、さまざまなボディタイプや車種の人気が交錯する中での市場の動きはまさに多様性を反映しています。
 今後の市場展望
市場全体の見通しについても注目が集まります。取引が活発化する中で、資金繰りの悪化や仕入れ難の問題が浮き彫りになっており、今後も不安定な要素が多いことがわかります。したがって、販売店の安定した運営のためには、在庫管理や仕入れ判断の効率化が非常に重要な課題になるでしょう。今後の市場動向を見守りつつ、販売店の皆さんが持つべき柔軟性とデータ分析能力が求められています。
 まとめ
2025年の上半期の中古車市場は増加を見せている一方で、高値の維持が続き、特に人気車種における在庫不足が深刻化しています。市場の変動を念頭に置きつつ、適切な対策を講じていく必要があります。今後も「車選びドットコム」からの情報に注目し、変化を捉えていくことが求められます。
 
