再春館製薬所が挑む新たなプロジェクト
熊本県に本社を構える再春館製薬所が、認知症を抱える方々との共創をテーマにしたプロジェクト「オレンジイノベーション・プロジェクト」に選ばれました。この取り組みは、経済産業省が推進しているもので、特に「通信販売コミュニケーション」が大きな焦点とされています。プロジェクトの初回イベントとして、12月3日に現地研修会が行われましたが、これは全体で2回実施予定であり、2026年3月まで続きます。
プロジェクトの目的と背景
現在、高齢化が進んでいる日本では、年齢と共にコミュニケーションに不安を感じる人が増えています。再春館製薬所は、これまでも電話によるサポートを通じてお客さまに寄り添ってきました。しかし今後は、認知症の方々を「お客様」としてではなく、共に社会をつくる「パートナー」として迎え入れることが求められています。この考え方をインクルーシブな視点にシフトさせ、認知症基本法に基づいたサービスの向上を目指します。
プロジェクトの連携先
プロジェクトは、社会福祉法人水光会しらぬい荘デイサービスセンターと連携して行われ、認知症の当事者の方々に実際に再春館製薬所のサービスを受けていただくことで、リアルな声を集めます。
具体的な取り組み
このプロジェクトでは、しらぬい荘の協力の下、認知症の方々が再春館製薬所のサービスを使って感じたことや改善してほしい点を伺います。具体的には、以下のような体験を通じて意見を集めます。
実際に電話応対を体験してもらい、その中で「話し方をゆっくりにしてほしい」「質問は一つずつ聞いてほしい」といった具体的な要望をヒアリングします。
商品やカタログを閲覧しながら、「1日の摂取量の説明が難しい」「お届けに関する情報が分かりにくい」といったフィードバックを受け取り、どうしたらよりわかりやすくできるのかを探ります。
プロジェクトのゴール
認知症の当事者が、何に困っているのか、どんな改善が求められているのかを把握し、プロジェクトの結果をもとに新しい対応方法や成功事例を社内で共有します。これにより、実践的なマニュアルを見直し、接客品質の向上へとつなげていきます。
今後の展望
12月3日からスタートした初回の研修会を基に、具体的なプロジェクトを全力で実行していく構えです。この意見を取り入れることで、商品開発やサービス改善を図り、通信販売の新たな可能性を拓いていくことが期待されています。再春館製薬所は、この活動を通じて日本社会全体に貢献することを目指しています。
まとめ
再春館製薬所の先進的な取り組みは、認知症の方々のニーズを直に吸収するものであり、その成果は今後、多くの人々の生活をより良いものに変えていくでしょう。このプロジェクトが成功することで、よりインクルーシブな社会の実現が期待されます。