スーパーペンギンが生み出す、賑わいの秘訣と空間デザイン

賑わいを生み出すスーパーペンギンの空間デザイン手法

2024年3月、東京ビッグサイトで開催された「JAPANSHOP2024」にて、スーパーペンギンがプロデュースした「IDMエリア」が注目を集めました。なぜこのエリアが会場内で最多の来場者を惹きつけたのでしょうか？今回はそのプロデュース手法について、詳しく探っていきます。

スーパーペンギンのプロデュース・デザインとは？

スーパーペンギン株式会社（代表取締役：竹村尚久）は、展示会ごとに特別な戦略を立て、来場者が集まるブースを生み出すことで知られています。IDMエリアのプロデュースもその一環で、入場者の心を捉えるための巧妙な手法が用いられています。

まず、重要なポイントの一つは会場の入口エリアの取り扱いです。「入口にブースがあるから当然人が集まる」と考えがちですが、実際には多くの来場者は通り過ぎてしまうことがあります。スーパーペンギンはこの落とし穴を逆手に取り、安心感を持たずにブースのデザインを戦略的に行いました。

集客を実現するための設計

IDMエリアでは、入場者の興味を引くための工夫が数多く凝らされています。以下にスーパーペンギンの具体的な施策をいくつか挙げてみましょう。

1. 興味を引く設計

- 入口の半分を隠す: エリア入口の内部が完全に見えないように壁面を設置することで、「中が気になる」という心理をうまく刺激します。
- タブロイドの配布: 入口付近に大量にタブロイドを置くことで、来場者が自然に引き寄せられるよう工夫されています。

2. 滞在を促す工夫

- 奥ににぎわいを作る: 来場者が滞在することを促進するため、奥の方に賑やかな空間を設けています。そのためには、展示台の配置や背の高いアイテムを使って視覚的に来場者を誘導します。
- ユニフォーム着用禁止: 出展者に統一したユニフォームを着用させないことで、誰が出展者で誰が来場者かを分かりにくくし、来場者をより自由にエリアに引き入れます。

3. 滞在時間を延ばす設計

- 全体の形状も戦略的に: ブース全体の形状を工夫し、エリア内に来場者が常にいるように設計されています。商品となる素材をランダムに展示し、来場者が手に取って感じられる環境を整えます。

出展社の成功を重視するスーパーペンギン

スーパーペンギンの竹村代表は、「出展社が成功しなければ、どれだけ良いデザインでも失敗に等しい」という信念を持っています。この考えは、出展社が満足し、次回も参加したいと思うような環境を作ることを重視しています。実際に、出展希望数が年々増えており、現在ではIDMエリアがJAPANSHOPの象徴的存在となっています。