デジタル技術で札幌市の基幹システムを革新する取り組み

札幌市の基幹システム標準化プロジェクトに見る生成AIの力

近年、日本各地でデジタル化が進み、特に地方自治体においてもその必要性が高まっています。この流れの中、ULSコンサルティング株式会社は、札幌市で行われる基幹システムの標準化プロジェクトにおいて、生成AIを活用し、業務の効率化を進めています。今回は、その取り組みと成果について詳しくご紹介します。

基幹システム標準化プロジェクトの背景

札幌総合情報センター株式会社（SNET）が主導するこのプロジェクトは、地元企業と国、さらに札幌市が共同で推進している重要な取り組みです。SNETは、1988年に設立され、札幌市の住民基本台帳や税、保険、福祉などに関わる基幹系情報システムの保守・運用を行っています。プロジェクトの目的は、国が示す「地方公共団体情報システム標準化方針」に準じたシステムの整備です。これにより、2027年までに、多数のシステムを適切に修正し、向上させることを目指しています。

Devinによる開発効率化

ULSグループの「Devin」は、自律型AIソフトウェアエンジニアとして注目されています。この技術を利用することで、SNETはJavaのバージョンアップやOSSライブラリの差し替えといった、専門性の高いタスクを効率的にこなすことができるようになりました。

数値で見ると、Devinの導入前は、テストコードの書き換えに約200人月を要していたのが、実際には50人月に短縮されました。この驚くべき成果は、エンジニアがより専門的な作業に集中できるようになったことを意味し、業務の全体的な効率が大幅に向上する結果をもたらしました。

今後の展望

もともと、DevinはテストコードやJAVAのバージョンアップのみならず、アプリケーションの書き換えや、UIの改修、さらにはコンテナ化にも活用できる可能性を秘めています。SNETは、これらの活動を通じて生成AIの適用範囲を広げていく計画です。

札幌総合情報センターの渡邊氏は、「Devinの導入により、テストコードの修正が驚くほど迅速かつ効果的に行えた点は、プロジェクト全体にとって非常に大きな進展です」と語っています。また、「今後もULSグループと共に、札幌市の基幹システム標準化プロジェクトを推進していく所存です」と、意気込みを見せています。