J-REITの環境性能評価と認証取得状況の調査結果
環境・省エネルギー計算センターが発表した"J-REIT 環境性能評価・認証取得状況調査2025"の結果をもとに、国内の3大環境性能認証であるBELS、CASBEE、DBJ Green Buildingの取得傾向について詳しく見ていきます。
この調査は、J-REITが保有する不動産57銘柄のデータを分析したもので、前回の2024年1月時点との比較も行い、約1年の認証取得傾向の変化もまとめております。調査の目的は、J-REIT全体の環境性能評価を明確にし、最新の動向を把握することです。
調査結果の概観
今回は、BELS、CASBEE不動産、DBJ Green Buildingの総取得数は2,215件となり、前回比で113%(272件増)という増加を見せました。この数値からは、J-REITが環境性能認証を積極的に取得しているとの傾向が読み取れます。
BELSの取得状況
- 引き続き、ランクに関わらず取得する傾向が見られます。ただし、新たに導入された☆6を取得したのは6件(0.9%)にとどまっています。これは企業の取得の動きがまだ少ないことを示しています。
CASBEE不動産の状況
- - 総取得件数: 1,071件(前回比283件増)
- 特に集合住宅での取得が140件増加し目立っています。オフィスの取得も顕著ですが、新たに追加されたホテル版の取得実績がない点には注意が必要です。今後の新規取得が期待されます。
DBJ Green Buildingの変化
- この認証は3年の有効期間があるため、多くの企業が有効期間の満了に伴い、5年のCASBEE不動産に切り替える傾向が見られます。新規取得の動きはあるものの、全体数としては減少傾向となりました。
GRESBリアルエステイトの評価
- - ランクが相対評価であるため、ランクアップした企業は12社、ランクダウンした企業は8社という結果でした。
認証の動向と今後の見通し
全体として、環境性能評価や認証の取得はJ-REITが今後も積極的に行っていくと見て取れます。特にBELSや長期的な有効期限を持つCASBEE不動産に対する注目が集まり、今後の環境性能認証の取得状況にも影響を与えるでしょう。
加えて、ホテル版の新設やウェルネスオフィス版の追加など、新たな取得の需要が高まることも考えられます。
まとめ
今回の調査結果が示すように、J-REITは環境性能評価の意識を高め、積極的に認証取得を進める動きが顕著です。環境への配慮が求められる今、これらの動向を注意深く見守り、変化に対応することが重要です。今後の追加報告にも期待が寄せられます。
出典
環境・省エネルギー計算センターのホームページ
運営会社:株式会社HorizonXX
代表取締役:尾熨斗啓介