AIと地理情報を融合した不動産提案サービス
株式会社Scalarと株式会社ゼンリンが共同で開発した、新たな不動産提案サービスが注目を集めています。このサービスは、2025年10月14日から17日まで開催される「CEATEC 2025」で実際のデモとしてお披露目されます。ここでは、その特徴や開発背景について詳しくご紹介します。
新たな物件提案の実現
この新しいアプリケーションは、特に個々のライフスタイルやニーズに応じた物件提案を可能にすることを目指しています。使用される技術として、ゼンリンが保有する高度な地理空間情報と、Webに散在している様々なデータ—たとえば口コミや行政サービスの情報—を統合し、ユーザーにとって最適な不動産情報を1つのアプリで検索・提示します。
このサービスのバックグラウンドには、Scalarが提供するUniversal HTAPエンジン「ScalarDB」があります。これにより、トランザクション処理と分析処理が同時に行えるため、リアルタイムにユーザーの要望に応じたデータを提示することが可能です。
現状の不動産検索の課題
現在の不動産検索では、駅からの距離や家賃などの画一的な条件が中心となっています。これでは、個々の詳細なライフスタイルや価値観に基づく「こだわり条件」を反映することが難しいのが現状でした。また、治安や地域の評判、住民サービスといった、物件の周辺に関する定性的な情報は、異なる場所に分散しているため、一元的に収集することが課題でした。
開発の背景
Scalarとゼンリンは、このような不動産検索の現状を改善するために協業し、AIを活用した新たな物件提案アプリケーションを開発しました。このプロトタイプはCEATEC 2025のゼンリンブースでのデモンストレーションにより、今後の不動産提案の進化を体験できる機会です。展望として、ユーザーが求めるライフスタイルに基づく多様な物件情報が、どのように提供されるかを目の当たりにすることができます。
多様なデータの統合とAI技術の活用
「AIを活用した不動産提案サービス」では、ScalarDBによって実現される多様なデータの統合が重要な役割を果たしています。このプラットフォームは、さまざまな形式のデータを一元的に管理し、スピーディーに情報を検索・分析する能力を持っています。さらに、ユーザーが自然言語で入れる要望をAIが解読し、それに基づいて最適な物件候補を提示することができます。
例えば、「週末に子供と一緒に遊べる公園が近くにある家を探している」という曖昧なリクエストにも、統合されたデータベースを通じて瞬時に適切な物件を提案可能です。
ゼンリンのコメント
ゼンリンのプロダクトソリューション事業本部は、「Scalarとの協業により、ゼンリンの高度地理空間情報と多様な外部データを統合する新たな基盤を築けた」と述べており、今後のサービス提供に期待を寄せています。このプロジェクトは、データマネジメント技術が社会課題の解決に貢献する可能性を実証するものでもあります。
CEATEC 2025 出展情報
この革新的な「AIを活用した不動産提案サービス」は、CEATEC 2025で展示されます。
- - 開催期間: 2025年10月14日(火)~10月17日(金)
- - 時間: 10:00~17:00
- - 場所: 幕張メッセ内ゼンリンブース(LBMAパビリオン)
- - 入場: 無料(事前登録が必要)
詳しいイベントの詳細については、公式サイトをチェックしてください。
株式会社Scalarについて
2017年に設立された株式会社Scalarは、「データマネジメントの未来を創る」というミッションを掲げて、東京とサンフランシスコに拠点を持つグローバルスタートアップです。彼らの開発するUniversal HTAPエンジン「ScalarDB」は、複数の異なるデータベースを統合し、トランザクションと分析を実現します。また、データ改ざんを検知するソフトウェア「ScalarDL」も展開しており、私たちの生活を豊かにする新たな技術を提供しています。