ITエンジニアが求める理想の上司像とは?
ITエンジニア431名を対象に実施された調査から、エンジニアが理想とする上司像やその評価の実態について明らかになりました。この調査は、上司のマネジメントスタイルがエンジニアの生産性に与える影響を考察するものです。
調査の概要
この調査は株式会社キッカケクリエイションによって行われ、エンジニアのマネジメントに関する実態を把握することを目的としています。おおよそ9割のエンジニアが、上司のマネジメントスタイルが仕事の生産性に影響すると認識しており、現在の上司に満足と感じる率は約7割に達しました。
満足・不満のポイント
調査によると、上司に満足している理由の多くは「自ら優先順位付けができること」と「要件や期待値が明確に伝えられるため」といった点が挙げられます。具体的には、49.7%の回答者が「作業の優先順位を自分で決められる」と答え、37.2%が「要件や期待値を明確に伝えてくれる」と回答しました。
一方で不満を持つ回答者の多くは、上司が「要件をあいまいにする」ために何度も確認が必要であることや、「成果を正しく評価しないこと」が主な理由として示されました。このように、理想の上司には明確なコミュニケーション能力と評価の公正さが求められています。
理想の上司像
多くのITエンジニアは、理想とする上司として「完璧を求めすぎず段階的な改善を評価する」ことが重要だと考えています。具体的には、40.8%のエンジニアがこの項目を選び、続いて35.5%が「技術的な難しさを理解しているエンジニア経験のある上司」を挙げています。
さらに、40.1%のエンジニアが「技術的観点からの意見を求める上司」であれば、もっと頑張りたいと感じると回答しています。これは、上司に対して技術理解と支援を期待する傾向が強いことを示しています。
転職検討の背景
また、上司に対する不満が原因で「転職を考えたことがある」と答えたエンジニアの割合は約半数に上っています。具体的には、現在転職を検討しているという回答が31.2%、過去に検討し転職したという回答も16.4%でした。これは、マネジメントスタイルが職場の環境に直接的な影響を与える結果として顕著です。
まとめ
今回の調査結果は、ITエンジニアが抱える上司に対する期待と不満を反映しています。2030年にはIT人材が不足することが予測されている中で、上司の不十分なマネジメントがエンジニア流出の要因にもなり得ることを示唆しています。
企業側は、エンジニアの特性を理解し、その能力を引き出せるようなマネジメントの在り方が求められています。理想的な上司の育成が急務となる中、IT業界の発展のためには、エンジニアが本当に働きたいと思える環境の整備が必須です。